こだまさんを知っていますか?夫の~に続く第2作『ここは、おしまいの地』

 

突然ですが、こだまさんを知っていますか?
著者名だけきいてもピンとこない方が、もしかしたら多いかもしれませんね。

それでは、こちらの表紙は見覚えがあるのでは?

 

 

そうです。この、おいそれと表に書けないワードが入った、オシャレな表紙。
あの有名な『夫の……が入らない』という衝撃的なエッセイを書かれた、こだまさんの第2作目。

ここは、おしまいの地』を紹介させてください。

 

波乱万丈な生き様をなんともライトに描く

 

前作、『夫の……が入らない』は、著者であるこだまさんとその夫、夫婦ふたりのそんじょそこらにはないハチャメチャな結婚生活について書かれた、まさに赤裸々エッセイでした。

今作、『ここは、おしまいの地』は、少しだけ毛色がちがいます。

主にこだまさん自身が経験してきた様々な出来事、家族のこと、住んでいる土地のこと、病気のこと、そして、「くせえ家」のこと。

 

「くせえ家」のこと、気になりませんか?

おそらく世界中のどのエッセイを振り返ってみても、住んでいる家がとてつもなくくせえ、なんてことは書かれていないでしょう。

下水道が完備されていないのでトイレは汲み取り式。家の中はカビと埃と排水と糞尿の臭いがごちゃまぜ。引っ越し業者でさえも袖口で鼻を押さえる最強の家。

ここまで自分の住む家のことをこき下ろせる人はなかなかいない。
それほどくせえということだ。

特殊な眼鏡を掛けたら、黄色い臭いの粒が大量に浮いているはずだ。


そんなに?!
 とめちゃくちゃ気になること請け合いではないでしょうか。

 

 

巻き込まれる運命

 

前作を読んだときも思ったことですが、こだまさんはなかなかに波乱万丈な境遇に生きている人。

 

「人込みに石を投げたら百発百中あんただけに当たる」

 

と夫に言わせるほど、なかなかに不運なのです。

定休日を下調べしていったのにも関わらず臨時休業だったり、
旅行に出るたびに寒波や記録的な暑さにおそわれたり、
美容院のボイラーが壊れていて冷たい水でのシャンプーを余儀なくされたり、

それはそれはもう、相当な不運。

 

けれど、こだまさんは悲観的にはならない。
どんなに壮絶な事態に陥っても、それを実にライトな筆致でわたしたちに見せてくれます。

 

ボイラーや家の臭いまでもコントロールしてしまう私の“気”。すさまじいパワーだ。
この負の力、何かに利用できないものか。

 

ボジティブさが天井知らずです。
深刻な状況をそうとは感じさせない。
やわらかく流れるようなタッチでありながら、突如あらわれでるエッジの効いた言葉と、それを包むあふれでるユーモア。

このバランスが、こだまさんの魅力です。

 

 

ただ、生きるということ

 

 

人生、いろいろありますよね。
つらいこと、苦しいこと、我慢できないこと、許せないこと。
泣きたいのに泣けないこと。

そんな感情のすべては、感じるままに受け取っていたら翻弄されてしまう。
時にはそんな衝動に従順にならずに、猫のようにさらりと身をこなして躱してしまうのも、ありです。

ただ、生きるということ。

こだまさんの文章を読んで、たゆたう感情の波に、身をゆだねてみませんか。

ABOUTこの記事をかいた人

2年前に、月残業時間100時間超え超絶ブラック企業から脱出。 書くことを仕事にしたくて奮闘するアラサーです。30歳までに本を出すことが目標! 幼少期に読んだ『ズッコケ3人組』から読書にハマり、それ以来、わたしの友達は活字です。 年間300冊の読書量から、おすすめの本を厳選して紹介します。 好きなジャンル:自己啓発・ビジネス・エッセイ・小説  (ミステリー) 好きな作家:道尾秀介・辻村深月・有川浩・窪美澄・西加奈子・住野よる