義理チョコから始まったドタバタラブコメ 星奏なつめ『チョコレート・コンフュージョン』

2月14日はバレンタインデー。

日本ではお菓子メーカーの策略?戦略?によって、女性が男性にチョコレートを日になっていますね。

学校や会社だと、義理チョコを用意しなきゃ!という方もいるんじゃないでしょうか。(ちなみに私の会社は禁止されているので、気が楽です(笑))

今回紹介したい本は、一つの義理チョコからとんでもない方向に行ってしまう、『チョコレート・コンフュージョン』。

強面男北風龍生と余裕がないOL千紗が織り成す、バレンタインラブコメディです。

あらすじ

バレンタインすら残業の、仕事に疲れたOL千紗。お気に入りのヒールが折れ、まさに泣きっ面に蜂。そんな千紗を救ったのは、理想の王子様――ではなく、凶悪な目つきから社内で「殺し屋」と恐れられる龍生だった。
千紗はお礼のつもりで義理チョコを渡すが、勘違いした龍生に交際を申し込まれてしまう。
「断ったら殺される!?」
命の危険を感じた千紗は、偽の恋人になることに。だけど強面の龍生が提案してきたのは、なぜか交換日記で!?
凶悪面の純情リーマン×がんばり過ぎなOLの、涙と笑いの激甘ラブコメ!

主な登場人物

三春千紗
海外事業部輸出管理課に勤めるアラサーOL。大人の女になりたくてヒールが履くが、ゆとりがなく余裕がない。友人恵里子から買い取ったメッセージ義理チョコを龍生に渡したため、交際を申し込まれる。
北風龍生
経理部所属の35歳。目つきが鋭く、かなりも強面で社内で「殺し屋」と呼ばれているが、見た目とは異なり、心優しい男性。千紗のことはずっとあこがれていたが遠目で見ているだけであった。ただ、感覚がちょっとずれている。
南城恵里子
千紗の同期で、ナイスバディ―の持ち主。彼氏持ちで器用な生き方をする。メッセージ入り義理チョコを買いすぎて、千紗に売る。
北風莉衣奈
龍生の15歳離れた妹。大学生。他人とあまり話せない龍生が、遠慮なく話せる唯一の家族。
ここからネタバレになります。

作品の魅力

絶妙なまでのすれ違い

人生で初めて、家族以外、しかも憧れの相手千紗からバレンタインチョコレート(愛していますのメッセージ付)を貰い、有頂天になる龍生。

一方、仕事も上手く行かず、お気に入りのハイヒールが壊れたのに、助けてくれたのは「殺し屋」(※ではない)龍生で、彼の地雷を踏みたくなくて、怯えながら義理チョコを渡した千紗。

憧れの千紗が自分に怯えているのも知らず、交際を申し込み、交換日記やデートの約束を取り付け、はたまた有頂天になる龍生。

一方,「殺し屋」(※何度も言うが本当は違う)からのデートを断れず、恐る恐る交換日記をし、本当のことを言おうとデートに行く千紗。

と、二人の心情は全くというほど噛み合いません。

物語が龍生視点と、千紗視点で交互に紡がれているので、すれ違う二人の心情を追うのは、面白いです。

そして、物語が進むにつれ、すれ違った二人の想いが重なっていくと、また違った味わいを感じられます。

龍生のずれた優しさ

見た目は「殺し屋」と間違われるほど、とてもきつい顔をしている龍生。

本当は、妹思いの正義感が強い、優しい男性なのです。

ただ、女性とデートどころか話す経験もなく、どうやって千紗とデートしてよいかわからないのです。

妹の莉衣奈からアドバイスをもらうも、千紗の誕生日に枕草子の巻物を渡したり、プロポーズに鉢植えのオジギソウを渡したりとどこかずれています。

千紗も最初は何で!?とは思うものの、自分の誕生日を覚えてくれていたり、ずれたプレゼントは龍生が千紗のために考えたものと分かり、自分のためを思ってくれる龍生に千紗は、好きだと自覚します。

「そうね、他にはいない……。あんなにズレてて、あんなに純粋で、あんなに優しい人なんてどこにもいない。もうあんな人には、絶対に出会えないわ…………。」

読者目線では笑えてしまう龍生のズレた優しさは、千紗の胸の中で、”恋の子猫”がうずかせるのです。

まとめ

今回は、バレンタインデーをテーマにした作品を紹介しました。

チョコレートの名前が付く小説はあっても、バレンタインデーを題材にした小説は珍しいですよね。

本の帯で、作家の綾崎隼さんが「ベッドの中で足をバタバタさせながら読みたい恋愛小説オブ・ザ・イヤー1位と言わざるを得ません」と書いていますが、

頑張りすぎてしまう余裕のない人へ、少しでも”恋の子猫”が疼く瞬間を感じて欲しいかなと、バレンタインデーの日に思うのでした。

また、龍生と千紗の物語は『チョコレート・セレブレーション』で続くので、合わせて読んで欲しいです。

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神奈川県出身、OL。 好きなジャンルはファンタジー、ミステリー、ビジネス書、スポーツ選手・監督の著者などなど、雑多な傾向。 好きな作家は上橋菜穂子/荻原規子/宮部みゆき/東野圭吾/原田マハetcと書ききれません。 今は読書が大好きですが、かつて(学生時代)は読書が苦手で、漫画ばかり読んでいました。 ですが、宮部みゆきさんの『火車』に出会い、文字の世界に引き込まれたのと同時に、自分が経験できないことは、本を読んだ時のイマジネーションが補ってくれると実感したのです。 読書離れが叫ばれて久しいですが、人生経験を妄想でもいいから、多くこなせるよう、私が書く書評記事でお手伝いしたいです。