寒い日が続く冬。
寒さは厳しくて、嫌いな方もいるでしょう。
一方で、冬にならないと出来ないこともあります。
スキーやスノーボードはその代表格と言えますね。
今回取り上げたい作品は、ウインタースポーツの場、スキー場をテーマにした東野圭吾さんの『恋のゴンドラ』です。
ガリレオシリーズや加賀恭一郎シリーズなど、ミステリーのイメージが強い東野圭吾さんですが、『恋のゴンドラ』は何とラブコメもの!!
ご自身もされるというスノーボードを題材に、東野流ラブコメを紹介します。
あらすじ
都内で働く広太は、合コンで知り合った桃実とスノボ旅行へ。ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、なんと同棲中の婚約者だった。ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか。やがて真冬のゲレンデを舞台に、幾人もの男女を巻き込み、衝撃の愛憎劇へと発展していく。『恋のゴンドラ』特設HP
登場人物
ゲレンデマジックが起こすハプニング
舞台はパウダースノーがある、信州の里山スキー場。
ここで起きることにはどこか魔法がかかっています。
それもそのはず。
作中の言葉を借りると、
当然、全員がスキーウェアやスノーボードウェアで身を固めているので、体形は分かりにくい。ゴーグルやフェイスマスクのせいで顔も殆ど隠れている。お互い様といえばそうなのだが、これはまるで仮面舞踏会ではないか、と思った。
と。
日常とは異なる空間がゲレンデに広がります。
ゲレンデマジックという非日常感がいろいろなハプニングを起こすのです。。
広太は浮気をしようとするし、桃実は広太にだまされかけるし、
日田は美雪にプロポーズしようとして広太に奪われるし、
水城は弥生を口説いていたのに秋菜へプロポーズすることになる。
挙げているだけでも、ハプニングだらけです。
男というのはどうしようもない生き物
それともう一つ、東野圭吾さんが『恋のゴンドラ』特設ページで
ごめんなさい、すいません男というのはこういう動物です
と書いています。
広太や水城のように、彼女がいても浮気をしようとする。現実世界にも二人のような人はいますね。
そして本人は浮気工作は完璧と思っていても、どこか抜け穴があったり。
そんな男のどうしようもなさが、『恋のゴンドラ』には秀逸に書かれていると感じます。
まとめ
ミステリーを書く人がコメディを書く。他の作家さんではあまり見られません。
それゆえ、東野圭吾さんの作風の幅広さを感じますね。
関西ご出身であるからか、笑いや話のオチが良く出ているように感じました。
東野圭吾さん=ミステリーと思い込んでいる方は、特に読んでほしいですね。
また、文庫版には新たに「ニヤミス」という話も加わっているので、単行本で読んだ方も改めて読んでほしいと思います。
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