ゲレンデマジックにご用心!? 東野圭吾『恋のゴンドラ』

寒い日が続く冬。
寒さは厳しくて、嫌いな方もいるでしょう。

一方で、冬にならないと出来ないこともあります。
スキーやスノーボードはその代表格と言えますね。

今回取り上げたい作品は、ウインタースポーツの場、スキー場をテーマにした東野圭吾さんの『恋のゴンドラ』です。

ガリレオシリーズや加賀恭一郎シリーズなど、ミステリーのイメージが強い東野圭吾さんですが、『恋のゴンドラ』は何とラブコメもの!!

ご自身もされるというスノーボードを題材に、東野流ラブコメを紹介します。

あらすじ

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃実とスノボ旅行へ。ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、なんと同棲中の婚約者だった。ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか。やがて真冬のゲレンデを舞台に、幾人もの男女を巻き込み、衝撃の愛憎劇へと発展していく。『恋のゴンドラ』特設HP

登場人物

広太
都内リフォーム会社で営業マン。スノーボードを趣味とする。同棲相手の美雪に結婚を迫られているが、彼女持ちを隠して参加した合コンで桃実と出会い、浮気願望が出てくる。
橋本美雪
広太の同棲相手。かつては広太と同じ職場であったが、現在はホテルに勤務。結婚へと煮え切らない広太に対し、外堀を埋めていくが…。
火野桃実
百貨店のビューティーアドバイザー。広太とは合コンで知り合い、スノーボード旅行に行く。広太が彼女持ちとは知らない。
水城直也
ホテルに勤務するプレイボーイ。スノーボードが趣味。同じ勤務先の秋菜と付き合っているが、口が上手く、良いと思った女性を口説くことを辞めない。
日田栄介
水城と同じホテルに勤務で、スノーボードが趣味。基本いい人であるが、女性と2人になると自分の話しかせず、残念な男。
木元秋菜
水城、日田と同じホテルに勤務し、水城とは付き合っている。同じくスノーボードが趣味。ウェディング担当のため、結婚にはブレーキがかかる。
土屋麻穂
水城たちと同じホテルに勤務し、スノーボードが趣味。天然でおっちょこちょいな性格。
月村春紀
水城たちと同じホテルに勤務し、スノーボードが趣味。
山本弥生
桃実の同僚。化粧が上手いのもあるがなかなかの美人。

ゲレンデマジックが起こすハプニング

ここから先はネタバレになります。

舞台はパウダースノーがある、信州の里山スキー場。

ここで起きることにはどこか魔法がかかっています。

それもそのはず。

作中の言葉を借りると、

当然、全員がスキーウェアやスノーボードウェアで身を固めているので、体形は分かりにくい。ゴーグルやフェイスマスクのせいで顔も殆ど隠れている。お互い様といえばそうなのだが、これはまるで仮面舞踏会ではないか、と思った。

と。

日常とは異なる空間がゲレンデに広がります。

ゲレンデマジックという非日常感がいろいろなハプニングを起こすのです。。

広太は浮気をしようとするし、桃実は広太にだまされかけるし、
日田は美雪にプロポーズしようとして広太に奪われるし、
水城は弥生を口説いていたのに秋菜へプロポーズすることになる。

挙げているだけでも、ハプニングだらけです。

男というのはどうしようもない生き物

それともう一つ、東野圭吾さんが『恋のゴンドラ』特設ページ

ごめんなさい、すいません
男というのはこういう動物です

と書いています。

広太や水城のように、彼女がいても浮気をしようとする。現実世界にも二人のような人はいますね。

そして本人は浮気工作は完璧と思っていても、どこか抜け穴があったり。

そんな男のどうしようもなさが、『恋のゴンドラ』には秀逸に書かれていると感じます。

まとめ

ミステリーを書く人がコメディを書く。他の作家さんではあまり見られません。

それゆえ、東野圭吾さんの作風の幅広さを感じますね。

関西ご出身であるからか、笑いや話のオチが良く出ているように感じました。

東野圭吾さん=ミステリーと思い込んでいる方は、特に読んでほしいですね。

また、文庫版には新たに「ニヤミス」という話も加わっているので、単行本で読んだ方も改めて読んでほしいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

神奈川県出身。通勤や移動時間を読書タイムに充てているメーカー勤務のOL。 読書の傾向は小説8割、ビジネス書等その他2割。 好きな小説ジャンルは、ミステリー、ファンタジー、時代小説で、あまり読まないのが、恋愛小説。 好きな作家は原田マハ、池井戸潤、有川ひろ、上橋菜穂子、荻原規子などなど。 シリーズものを読み始めると、絶対に順番を守らないと気が済まないタイプ。 2、3日おきにTwitterとInstagramで読書記録を投稿している。