【さくらももこさん追悼特集】さくらももこ 著 『ひとりずもう』

こんにちは、tsuki(@tsuki1188)です。

さくらももこさんの『ひとりずもう』を紹介します。

先日さくらさんが亡くなったというニュースをきいて、本当にショックでした。

小さい頃からさくらももこ作品の大ファンで、『ちびまる子ちゃん』の漫画とエッセイ本は全て読んできました。コジコジの絵画を買ったり、雑誌『富士山』を集めたりなど、さくらさんの作品から受けた影響はすごく大きいです。

さくらさんのエッセイは、笑いが止まらないほど面白くて、さくらさんの独特の目線でものごとが書かれているのが魅力です。
私も将来はエッセイストになりたい、と思うくらい憧れの存在です。

さくらさんの青春時代

 

ひとりずもう』は、さくらさんの青春〜漫画家デビューまでをテーマにしたエッセイ本です。
幼少期や大人になってからのエッセイが多かったので新鮮だったし、デビューまでの経緯がわかって興味ぶかい内容でした。

今回書評を書くにあたって読み直したのですが、やはりはじめから笑いが止まりませんでした。外出先で読んだので、ニヤニヤしていたのが周りにバレていたと思います。

生理になるのがこわくて胸を大きくしないようにうつ伏せで寝たとか、男子がみんなゴリラやオランウータンに見えたとか、すごく赤裸々に語られています。はじめて好きな人ができた時の話も面白いです。

私はこんな目線では青春を生きていなかったです。こんな独特な考え方をする学生がいるなんて!と感じたのですが、それが新鮮で、ああ、青春っていいなと思ってしまいます。

 

漫画家デビューまでの話

 

最後の3章で、漫画家としてデビューするまでのことが語られています。
漫画を投稿して一度挫折、今度はお笑い芸人を目指して挫折。そしてまた漫画家を目指し、見事デビューする。

「さくらももこ」というペンネームにした理由や、ちびまる子ちゃんの作風になった経緯も描かれています。
さくらさんほどの才能があっても、デビューまで色々なことがあって、努力してやっと叶った夢だったんだ、というのがよくわかりました。

漫画家という夢を一度諦めて、お笑い芸人に方向転換しようとしたけれど勇気がなかった。そのシーンにはぐっとくるものがあり、そこでの言葉が一番印象に残りました。

自分は、なんて勇気の無い人間だろう。自分の将来に関わる事だったのに、こんなに勇気が無いなんて、これじゃお笑い芸人なんてとてもなれっこない。勇気のある人になりたいな。もっとちゃんとした勇気のある人になりたいな

その後さくらさんは、才能と、ものすごい努力と、運命的な気づきによって夢をつかみましたが、あとがきにこんな言葉がのっています。

よく、〝夢は願っていれば叶う〟とか〝思い続けていればきっと叶う〟とか言うけれど、私個人としては、人にそんな事をとても言えない。〝叶う事もあるかもしれない〟か、或いは「叶うといいね」という言葉が精一杯だ。
でも、叶った人がいないわけではない。だから叶う事もあるかもしれないのだ。

なんだか、すごくさくらさんらしい言葉だなと思います。

 

最後に

 

『ひとりずもう』は漫画版も出ています。エッセイの時とはまた違った、青春の切ない感じとか、たまちゃんとの話が書かれているので、こちらもすごくおすすめです。

さくらさんの本には、たくさん元気をもらいました。
エッセイを読むと必ず楽しい気持ちになるので、今まで嫌なことがあった時も助けられたし、私にとってはなくてはならない存在です。

たぶん、私と同じように思っている人はものすごくいると思います。
もう新しい作品を読めないんだと思うと、本当に悲しいです。

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

東京都出身、社会人5年目。 わたしの本棚 ライター よく読むジャンル:恋愛、ミステリー、ビジネス、自己啓発、エッセイ 好きな作品:唯川恵、林真理子、さくらももこ、東野圭吾、はあちゅう作品(敬称略) 本の街、神保町周辺でOLとして働いています。 読書と本屋をめぐるのが大好きです。