結末は、二転 三転 四転 五転? 藤崎 翔 著 『殺意の対談』

これまで色々なミステリを読んできましたが、こんな話は初めてでした。

こんにちは、tsuki(@tsuki1188)です。

藤崎翔さんの『殺意の対談』は、ほぼ全編が「対談記事+対談中の人物の心の声」で構成されたミステリ作品です。

対談するのは俳優、女優や、サッカー選手、人気バンドなどなど。

この人たち、言っていることと考えていることが全然違う!かなーりブラックな心情なので、心のきれいな方は覚悟して読んでください。

そして真相は、二転、三転どころか、四転、五転くらいひっくり返ります。どんでん返しとはちょっと違う、新鮮な面白さです。

対談+裏の顔

 

「月間エンタメブーム」「SPORTY」「月刊ヒットメーカー」と、各章が雑誌のタイトルになっていて、全部で7つの対談がのっています。

一見すると短編集のようですが、話が進むにつれてそれぞれに深い繋がりがあるとわかり、最終的には大事件が…!

最初の対談、女優・井出夏希と作家・山中怜子の心の声は、ものすごくブラックで嫌な感じ。でも19ページまで読むと、文章にも慣れてきて、そこからどんどん話に引き込まれてしまいます。冒頭はこんな感じで始まります…。

井出 先生、本日はよろしくお願いします。
(あ〜超蒸し暑い。マジだるいんだけど。)

山中 どうも夏希ちゃん、お手柔らかにお願いします。
(あ〜腹たつ。私この後、人と会う予定が入ってるのに、この小娘ときたら三十分も遅刻しやがったわ。)

このふたりの対談が進むにつれ、殺人事件の話にまで発展するとは、最初は予想できませんでした。

ホンネとタテマエ

 

本書では人間のホンネとタテマエがはっきりとわかるので、ちょっとこわいです。これはフィクションなので面白いんですが、日常で周りの人がこんなことを考えているとは思いたくない…。

それと雑誌のインタビューを受けるような人たちは、みんなキラキラしていて、人生うまくいっているんだろうなーって思うんですが、こういうのを読むと、表面にでているものが本当とは限らないし、そのまま鵜呑みにするのはすごく危険だなって思います。

 

長編小説ですがテンポがよく面白いので、私は一日で読んでしまいました。仕事中も、早く読みたい!オチが知りたい!と、ずっと続きが気になっていました。

本は読まないけど雑誌やネット記事は好き、という人にも読みやすいと思います。(『神様の裏の顔』も読みやすくオススメです。)

とりあえず、19ページまで読んでみてください。とまらなくなります!

 

ABOUTこの記事をかいた人

東京都出身、社会人5年目。 わたしの本棚 ライター よく読むジャンル:恋愛、ミステリー、ビジネス、自己啓発、エッセイ 好きな作品:唯川恵、林真理子、さくらももこ、東野圭吾、はあちゅう作品(敬称略) 本の街、神保町周辺でOLとして働いています。 読書と本屋をめぐるのが大好きです。