7月後半は「夏の本特集」ウィーク!
こんにちは、tsukiです。
2018年夏、猛暑が続きますね。定番ですが、こんな日はホラーでひんやりした気分を味わうのはいかがでしょう。
今回は乙一さんの「夏と花火と私の死体」を紹介します。夏に読むにはぴったりのホラー作品です。
私は小さい頃からこわい話が苦手なんですが、乙一さんのホラー作品はたくさん読んでいます。ミステリーの要素が強く、読みやすいストーリーが多いので好きです。
本書はデビュー作で、当時の乙一さんはなんと16歳!そんな若い頃に書かれたとは思えないほど、引き込まれるストーリーです。
「わたし」の視点で描かれる、花火大会までの4日間
タイトルを見た時、どんなストーリーなのか気になって仕方がなくなりました。
小さな花火大会が近づく夏、村で9歳の少女が殺されてしまいます。
その死体をかくそうとする幼い兄妹の姿を、死体である「わたし」の視点から描いた物語です。
兄妹が「わたし」を隠そうと試行錯誤する姿にはずっとハラハラさせられます。大人に見つかってしまう!と言うシーンが続き、いつの間にか兄妹を応援するようになっていました。
ふたりは無事に死体を隠せるのか?そして最後には、予想外の展開が待っています。
私が最後までこわかったのは兄の「健くん」。
少女の死体を目にしても常に冷静で、死体が見つかりそうになると子供とは思えない行動力を発揮します。
底の知れない「健くん」にもぜひ注目して欲しいです。
夏を感じるストーリー
ホラー作品ですが、爽やかで読みやすく、夏らしい話です。
アブラゼミ、入道雲、アイスクリーム。
ああ、夏だよなぁと思う情景がたくさん出てきます。小さい頃楽しみだった近所のお祭りや、神社で遊んだ思い出なんかが蘇ってきます。
子ども達のキラキラした夏と、死体をかくすというミスマッチな状況が混ざり、なんとも言えない奇妙な感覚になります。
夏を感じられる、暑い夏にひんやりするホラー作品です。