5月企画の【名言特集】!
すーちゃんに続いて、tsukiがお届けします。
第126回直木賞を受賞した唯川 恵さんの肩ごしの恋人 (集英社文庫)。
女性の本音と日常をリアルに写し、圧倒的な共感を集めた恋愛小説。
その中から、主人公「るり子」のこのセリフをピックアップします!
「それにね、私は自分が幸せになれないなんてどうしても思えないの。
だって私、いつだって幸せになるために一生懸命だもの。人生を投げたりしないもの。頑張ってるもの。そんな私が、幸せになれないわけがないじゃない。」
この小説では、性格も考え方も正反対だけど親友同士の、「るり子」と「萌(もえ)」が登場します。
「るり子」は、「あの顔に何人の男が騙されてきたか」と言われるほどの超美人。
三回の結婚をし、ブランド物を全身にまとう、誰よりも自分が大好きな女。
人の男は平気で取るし、自分勝手でわがままな「るり子」にはじめはムッとしながら読んでいました。
でもストーリーが進むにつれて、彼女がただの自惚れではなくて、実はすごく自分の人生に前向きで、一生懸命なことが分かってきます。

三度の結婚をしたるり子は、ついに三度目の離婚する羽目に。
仕事を探すも、年齢と経験不足のせいでなかなか見つからず、巣鴨の青果市場で働くことになってしまいます。
それでも全く人生を悲観しないるり子に、ゲイバーのマスター文ちゃんが、呆れた口調でこう諭します。
「あんた、自分の将来ってものをどう考えてるの?」
「結局は孤独に生きることになるの。老後はどうするの、路頭に迷うんじゃないの」
その言葉に対して、るり子はこう言います。
「ねえ、不幸になることを考えるのは現実で、幸せになることを考えるのは幻想なの?」
「先のことなんか誰にもわからない。幻想って言うなら、両方とも幻想でしょう。だったら幸福な方を考えていたいじゃない。その方がずっと楽しく生きられるじゃない」
この言葉から、冒頭で紹介した名言のセリフへとつづきます。
名言も、このセリフも、なかなか言えることじゃない!衝撃的でした。
るり子と萌は27歳。私も今、同じ世代です。
結婚とか仕事とか、将来とか周りの目とか、この時期の女性って、とぉーっても悩みが多いんです!
環境も変化してくるし、考えなきゃいけないことが山ほどある。
そんな悩みを抱えて先が見えないとき、不安でいっぱいなとき、つい不幸になる想像ばかりしてしまいませんか?
るり子はめちゃくちゃな女ですが、彼女なりに努力をして、こんなにも自分の人生にまっすぐ向きあって、自信を持って生きている。
だからこそ言える言葉なのかもしれません。それってすごくかっこいい。
応援したくなるし、幸せになってほしいと願ってしまいます。
こんな考え方ができるようになったら、もっと毎日を楽しめる気がする。
人生に一生懸命な人、頑張って生きている人に、この言葉を伝えたい!