2018年NHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』の原作者でもある、林真理子さんの『野心のすすめ (講談社現代新書)』を紹介します。
私は仕事のモチベーションを上げたい時や、物事にやる気を出したい時、この本を読み返すようにしています。
林真理子さんはコピーライターを経て作家となった有名な方。
この本ではその生き方や、読者へのメッセージが「野心」を軸にして語られています。
野心を持ちながら、試行錯誤の人生
「自分が過去にたくさん失敗したり、試行錯誤して生きてきたからこそ学んだことをお伝えしたい。」
今は大変有名な著者ですが、これまでに実にいろいろな経験をされています。
- いじめられっ子だった中学時代
- 不採用通知が40通以上届いた就職活動
- 三流にどっぷり浸かった会社員時代
- コピーライターから作家へと転身
- 結婚、そして出産
決して最初から順調ではなかったものの、野心を持ち続けたことで新規まき直しをし、人生を好転させていきました。
何か気に入らない状況があったら、それをすっかり取り払うために、具体的なアクションを起こしてみる。手段はどうであれ、自分の力で自分の進路と人生を変えることができたことは、その後の私の大きな自信に繋がりました。
そんな著者の経験と、それをもとにしたアドバイスが、この本にはたくさん詰まっています。
野心はあっていい!
野心というと身の程知らずや厚かましいという、マイナスのイメージを持たれやすいかもしれません。
ただ、この本で取り上げられる野心とは「もっと価値ある人間になりたい」という健全でポジティブな心のことです。
健全な野心を持つことが人生をより良いものにする、と書かれています。
野心と努力のバランスが大切
野心が車の「前輪」だとすると、努力は「後輪」です。
前輪と後輪のどちらかだけでは車は進んでいけません。
野心と努力、両方のバランスがうまく取れて進んでいるときこそ、健全な野心といえるのです。
野心を持つことはいいことですが、それには同じくらいの努力も必要、とあります。
反対に、努力をするだけで野心が足りないのも、すごくもったいない。
ちょうどいいバランスを心がけることが大切です。
そして、野心と努力のバランスが良くなってくると、「運」も味方についてくるとのこと。
健全な野心を持っていれば、努力で実力がつくに従い、運やチャンスにどんどん恵まれていくのかもしれません。
やってしまった後悔、やらなかった後悔
なんといっても、私のモットーは、「やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの後悔は日々大きくなる」です。
取り返しがつかない、という意味では、やったこともやらなかったことも同じです。
この言葉、私にはとても響きました。
挑戦するリスクばかり気にして、行動が起こせないでいることが多かったのですが、「何もしないことにも同じだけのリスクがある」ということに気づかされました。
同じリスクなら自分の思った方に進みたい、と思うようになりました。
最後に
作者の人生経験が織り交ぜられた内容で、読んだ後は自分もやりたいことに挑戦したくなるような本です。
私はこの本がきっかけで、「自分のやりたいことに正直になろう!仕事をもっと頑張ろう!」と、前向きな思考を増やせたように思います。
結婚や仕事に関する、女性に向けたアドバイスも書かれており、いろいろなことを考えさせられました。
ぜひ読んでいただきたい、おすすめの一冊です