「結婚と仕事」女性の生き方を考える小説。 唯川恵著『永遠の途中』

直木賞受賞作家 唯川恵さんの『永遠の途中』は、対照的な女性二人の人生を、20代・30代・40代・50代・60代と追っていくストーリーです。

主人公は、結婚して二児の母になった薫(かおる)と、独身でキャリアの道に進んだ乃梨子(のりこ)。

結婚と仕事という、女性が抱える定番のテーマですが、この作品が面白いのは、27歳から60歳まで、主人公の人生全体が描かれているところ

唯川恵作品はたくさん読んできましたが、この作品は特におすすめします!

自分ならどちらの道に進みたいのか。それとも両立させるのか。女性の人生について考える、一つのモデルになる本です。

 

広告代理店に勤務する薫(かおる)と乃梨子(のりこ)は、同期入社。仲はよいが相手と自分を比べずにいられない微妙な関係。
どちらも、同僚の郁男に恋心を抱いていたが、ささやかな駆け引きの後、薫が郁男と結婚して主婦に。乃梨子は独身でキャリアを積み続ける。対照的な人生を歩みつつも、相手の生き方を羨んでしまうふたり…。

 

自分の人生はこれで良かったの?

 

薫と乃梨子は自分の思うように生きてきたものの、お互いの人生を羨ましく思っていて、どこかで「自分の人生はこれで良かったのか」と悩み続けています。

二人の人生を特定の時点だけではなく全体として見ると、どちらにも良い時期があって、どちらにも良くない時期がある。それがリアルに描写されています。

結婚と仕事。どちらを選んでも、どちらにも悩みがあって、喜びがある。正解なんてないんだな、と改めて考えさせられました。

作中では47歳になった乃梨子が「今の女性は仕事も結婚も子供も、みんな欲しがって良いと思う」というセリフを言うシーンがあります。

これからは、二人の良いところを合わせた人生を歩むということも、できるかもしれません。

自分の悩みは人にはわからない

 

「社長って後悔したことありますか?」
「すべて自分で決断して、自分の手で切り開いて、自分の足で人生を歩いて来たって見えます」

起業して、社長になった乃梨子が言われた言葉です。

仕事を選んだ乃梨子の20代から60代までの心情を追っていると、読んでいてとても辛いなぁ、切ないなぁという描写も多く、苦しくなってしまいます。

けれど、乃梨子は周囲から、悩みなんてない、人生に後悔なんてない、あこがれの女性像だと思われています。

「自分が抱えている悩みは他人には見えにくい。自分が思うよりも、人には自分の良い面が見えているかもしれない。」、「見えないだけで、成功している人にも、悩みや後悔はある。」というのも、この小説から学べたことです。

 

とても読みやすく、いろいろな気づきを得られる本でした。読んだ後は自分の人生について考えたくなる作品です。

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東京都出身、社会人5年目。 わたしの本棚 ライター よく読むジャンル:恋愛、ミステリー、ビジネス、自己啓発、エッセイ 好きな作品:唯川恵、林真理子、さくらももこ、東野圭吾、はあちゅう作品(敬称略) 本の街、神保町周辺でOLとして働いています。 読書と本屋をめぐるのが大好きです。