私にぴったりな仕事とは?宮木あや子『校閲ガール トルネード』

今回ご紹介する1冊は宮木あや子さんの校閲ガール・トルネードです。

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実はこの宮木あや子さんの校閲ガールは過去にも書評を書いています。

過去の書評はこちらから👇

私の正義はどこにある?宮木あや子 著『校閲ガール』

先日、すーちゃんも書評を書いてくれました👇

シンプル、けれども深い、校閲のお仕事。宮木あや子 著『校閲ガール』

今回お送りする校閲ガール・トルネードは前作の続きとなる1冊です。

前回読み終わってから5ヶ月が経過したタイミングで続編を読みましたが、すっと物語の世界へ戻ることが出来ました。

本好きな人ならきっと気になる出版社の内情、今回も色濃く書かれており、楽しく読むことが出来ると思います😊

あらすじ

この物語の主人公の悦子はファッション誌をこよなく愛し、いつの日にかファッション誌の編集者になることを夢見て大手出版会社に就職しますが、配属されたのは社内でも一番地味な部署「校閲部」でした。

校閲は文章や原稿などの誤りや不備を見つけ、訂正していくという大事な仕事ではあるものの、ファッション誌への道とは程遠くなかなかやる気も出ず現状維持な毎日。

正直者で思ったことは誰であろうと言わないと気が済まない悦子。そんな破天荒な悦子の毎日を描いた作品、それが校閲ガールです。

第二作となる今回は、前作の終盤に思いが通じ見事恋人同士になった悦子と是之。2人の恋の行方からも目が離せません。

そして辞令が発表になり、ついに悦子があの憧れのファッション誌へ・・・。このまま一気に夢の世界へと羽ばたいていくのでしょうか・・・!?

仕事に一生懸命な悦子

私がこの校閲ガールを愛する理由の1つとして、「悦子はぶつぶつ言いながらも自分の仕事を愛している」という点があると思います。

ファッション誌を夢見て出版会社へ就職した悦子。夢とは程遠い部署にはいるものの根腐れするわけではなく、きちんと日々実力をつけ、その日を待つ姿には心を打たれます。

また、物語の終盤で念願叶い、ファッション誌の編集部に移動になった時には私もすごく嬉しい気持ちになりました。

自分の天職とは?才能とは?を自問自答しつつ、前に前に進む悦子をついつい応援したくなります。

これはもしかしたら私が「自分が本当にやりたいことは何か?」「私が本当に好きなことって?」と考えず「これなら食いっぱぐれなさそう」「安定していそうだから」と安易に仕事を選んでしまったという過去を持っているからかも知れません。

今でこそ好きな時に好きなことをしている私ですが、やはり過去は取り戻せません。

若かりし頃に「不本意ながらに働いていた」という事実を払拭したい、悦子を応援することで過去の自分を成仏させたいという思いがあるのかな・・・なんて考えてしまいました。

やりたいことと向いていること

この本の終盤に悦子は「やりたい仕事と向いている仕事が、違ったんです。それをやっと、昨日受けれいたんです。」とこぼすシーンがあります。

私はこのやりたい仕事と向いている仕事が違っていた、という経験を過去の就職活動の時期に味わったことがあります。

私が「やりたい」と思っていた会社の採用の方には「ウチには合わない」と判断され、私があまり興味がない、と思う会社の採用の方が「この人はウチに欲しい」となったのです。

私が行きたい業種の会社を受けるも全て落ちてしまう、興味のない分野からは内定をもらうというチグハグな結果となり、就活のお祈りメールにも疲れていた私はもう安心したいという気持ちから「心からやりたい」と思うことの出来ない職業を選んでしまったのです。

(今思うと何やってんだ!!と自分に喝を入れたくなりますね・・・)

私は悦子とは異なり、向いているだろうと思った仕事の中に情熱を注げるポイントを見つけることが出来ずそのまま数年後に退職となりました。

今だったらあの仕事の中でやりたいことを見つけられたのか、それは今でも分かりません。

好きを仕事に、と騒がれる時代ではありますが、「自分のやりたい」よりも「私は何なら苦ではなく続けられるか?」を考えた方自分のためにもいいな、とこの校閲ガールをみて改めて感じました。

あなたの仕事は何?

この校閲ガール、一見破天荒な悦子の毎日を描いているストーリーのようで、「仕事とは?」「天職とは?」と深く本質を考えさせるような本でした。

男女の差は少しずつ小さくなってきましたが、依然、女性は人生の中で「結婚」や「妊娠」「子育て」という大きなライフイベントの影響で仕事の第一線から退かなければならなくなってしまう事があると思います。

ライフスタイルの段階に合わせ、多様な働き方を求められる女性だからこそ、「自分の仕事」について真剣に考えるべきだと思いました。これは私が歳をとったから感じられることで、私が今就活をしていたらまた同じ事を繰り返してしまうかも知れません。悲しいかな。

新卒で入社した会社の人事の方は「仕事」ではなく「私事」、私=あなたらしい事をできることをやりましょう!と言っていました。

当時の私はそんな綺麗事、出来ないよ・・・と思っていましたが今思い返すととても素敵な言葉ですね。

私らしい、私だからこそ出来る仕事をしているか、を念頭に日々頑張っていこうと思います。

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これまでの書評の寄稿先一覧、仕事依頼詳細ページです👇

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わたほん編集者。子どもの頃から本が好き。日々の忙しさに負けて本から離れた時期もあったけれど、結局本に癒され、本に励まされ、本からたくさんのことを学び、立ち上がってきました。私である意味を、存在する意義を与えて教えてくれるのは本。軽めの本やビジネス本を好んで読みます。