こんにちは。すっかり久しぶりの投稿となります。
今回は、私が読んでみたかった作家さんのうちの一人、松浦弥太郎さんの本をご紹介します。
外出自粛やリモートでの作業が続く昨今、他人と関わる機会が減ってきている方も少なくないのではないでしょうか。
そんな中、この本は、私が人とのつきあい方を見直そうと思わせられた一冊です。
この本について
この本は、著者が、『暮らしの手帳』の編集長や書店経営、作家などで多忙な生活の中、自身の経験などからたどりついた、ひととの付き合い方や人間関係のつづけ方にまつわるアイデアを紹介しています。
作品発表から10年経った今読んでも、決して時代遅れの話題ではなく、また、著者の言葉は色あせることなく心にまっすぐ語りかけてくれます。
構成としては、4つの章からできており、人との関係のつくりかた、つづけ方、その先のためにというような流れで、比較的読み進めやすいものかと思います。
人が人と関係をつくるために
人には、自分が寂しいときや悲しいとき、他人の存在を求めたくなることがあると思います。
しかし、著者は、そのような感情や行動をとても自己中心的なこととしており否定的です。
自分自身ときちんと向き合うこと。
個人として自立していない部分から目を背けず、一人でちゃんと生きていくこと。
先ほどのような時に、孤独な自分と向き合うことの大切さを伝えています。
そして、相手と向き合うときには、なにかを「求める」のではなく、むしろ「与える」という意識が大切だと続きます。
人間関係では、お互いに与え続けることが必要である。
しかし、だからといって、「これだけ与えたから」と相手に多くを求めることはしない。
見返りを求めないというようなことも述べています。
このようなことができて、人ははじめて、人とつながることができ、人と絆を深められるのです。
ずっと友だちでいるために
著者は人間関係のなかでの友だち、友情というものにも言及します。
まず、友情とはお互いの努力なしに自然と長続きするものではない。
そして、案外壊れやすいものでもある。
著者がここで言うお互いの努力とは、2人の関係を守るために、2人がお互いの距離を測りつづけることであり、それをお互いに育てていくことでもあるのだそうです。
一緒に何かをすることでもなく、しょっちゅう会うことでもなく、お互いのすべてをわかちあうことでもありません。
何があろうと、ずっと友だちでい続けること。
これが最高の友情だと僕は思います。
そして、最高の友情とは、単なる2人の距離の近さではありません。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるように、相手に対しての礼儀、相手を尊重する気持ちを忘れずに、2人にとってちょうどよい距離を意識することが必要なのです。
この本を読んで自分を振り返ってみる
私は子どもの頃から「おせっかい」「人との距離が近い」と指摘されることが多くありました。
今までは自分の性格の1つとむしろポジティブに捉えるようにしていましたが、この本を読んで、
著者の松浦さんから「あなたは人との付き合い方が上手ではないんじゃない?」
と優しい言葉ながらもまっすぐに言われた気がしました。
本を読みすすめていくと、松浦さんの言葉が自分の心の真ん中に突き刺さってくるのを感じました。
これはきっと自分に思い当たる節があるからだと思います。
そして、同じように、私以外の読者の心にも人それぞれに語りかけて支持されていくのかなとも思います。
自分では他人と関わったり、人と話すのがとても好きな性格だと思っています。
そのこと自体は悪くはないけど、もう一度自分の行動や考え方、発言の仕方を改めて考え直し、気を付けてみよう、と思いました。
そうした行動の先には、自分の性格、自分自身をもっと好きになれる自分がいるのではないかとワクワクしています。
おわりに
著者の松浦弥太郎さんの言葉は、本の全体を通してまっすぐで冷静です。
しかし、そのことばにはあたたかみがあります。
また、ひとつひとつの言葉の選び方、使い方がとてもわかりやすく、読みやすい一冊でした。
人と関わるというのは生活するうえで欠かせないことの1つ。
そう思うすべての人に、この本はなにかしらの言葉をなげかけてくれる。と、わたしはそんな気がしています。
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