ここ数年「生きづらさ」という言葉を、よく耳にするようになりました。
私自身、中学生のころから「生きづらさ」を抱えて生きている人間です。
生きづらいよなあと感じつつも、そんな自分が少しでも生きやすくなるためにはどうしたらいいのかを日々考えながら過ごしています。
そんな中『生きづらさにまみれて』という、生きづらい人間にとって興味しかもてないタイトルのエッセイが発売されると知り、一足早く読む機会をいただきました。
今回は、姫野桂氏初のエッセイ『生きづらさにまみれて』をご紹介します。
目次
本書『生きづらさにまみれて』について
『生きづらさにまみれて』概要
本書は『発達障害グレーゾーン』が大ヒットした、姫野桂氏初のエッセイです。
01_自傷行為
02_バンギャル
03_バンドマン
04_自己肯定感
05_顔出し
06_炎上
07_毒親
08_スクールカースト
09_Uターン
10_生理
11_風俗嬢
12_フェミニズム
13_ルッキズム
14_グラビアアイドル
15_サラリーマン
16_新型コロナウイルス
17_アルコール依存症
18_婚活
19_発達障害
20_ライターー引用元 Amazon
この目次を見て、ひるむ方もいるのでは…と心配になってしまうような、過激なタイトルが並びます。
著者の「生きづらさ」について、赤裸々に語られている本書。
「そこまでさらけ出していいのかしら!?」と、最初は驚いたものの、ダークな話題も軽やかなタッチで書かれているために、非常に読みやすい印象を受けました。
「01_自傷行為」に出てくる、南条あや氏の『卒業式まで死にません』のようなイメージといったら分かりやすいでしょうか。(分かりづらい?これが伝わる人は、本書を読むべき)
著者|姫野桂氏のプロフィール
フリーライター。1987年生まれ。宮崎県宮崎市出身。日本女子大学日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをして編集業務を学ぶ。卒業後に一般企業に就職し、25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やWEBなどで執筆。専門は社会問題や生きづらさ。
ー引用元 Amazon
ご自身も、発達障害当事者であることを公表している姫野氏。
現在はライターとして、ご活躍されています。
姫野氏の著書
現在、以下の3冊が発売されています。
- 『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』
- 『発達障害グレーゾーン』
- 『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』
さまざまな「生きづらさ」

波乱万丈な姫野氏の人生
リストカットをはじめた小学生時代、ヴィジュアル系バンドにハマってバンドマンに本気で恋をしたバンギャル時代。
拒食症になったり、モラハラ男に依存したり。
合わないOLをやめて、ライターになったかと思えば風俗嬢になってみたり、某インフルエンサーの炎上に巻き込まれたり…
1冊の本にまとめられているけれど、なんと波乱万丈な人生なのだろうと思わずにはいられません。
姫野氏が抱える「生きづらさ」
本書で語られている著者の「生きづらさ」は、大きく分けると次のように分類できます。
- メンヘラ的生きづらさ
- SNS上での生きづらさ
- 地方特有の生きづらさ
- 女性であることの生きづらさ
- 現代社会における生きづらさ
- 発達障害当事者の生きづらさ
厳密にいうと、このいずれかに分類できないものもあります。
しかしこうして考えてみると、本書は現代を生きる私たちが、それぞれ抱えている生きづらさを扱っている作品だといえるのではないでしょうか。
一見、偏ったテーマのように思える本書ですが、実は多くの人の共感を得る作品なのではないかと感じています。
余談|著者と似た境遇の私が感じたこと
閉鎖的な宮崎県出身、同年代、南条あや氏により自傷行為を知ったこと、ピアッシングという名の自傷行為、メンヘラ、ハデ髪、ライター…
と、多くの共通点がある著者と私(ライターとしての経験や力量は、足元にも及びませんが)
冒頭部分から「わかる~~わかるわ~~~!」と、まるでお酒を飲みながら女子会をしているかのような気持ちで本書を読みました。
こうして読んでいる私も、きっと生きづらい人間なんだろうなぁと思いながら。
しかし「生きづらさ」を抱えているのは、自分だけじゃないんだ!と本書を読んで安心でき、同時に生きづらい自分にも合う道があるのかもしれない、と希望をもつことができました。
そのため「生きづらさ」を感じている方(特に女性)に、勧めたい作品です。
おわりに|現代は生きづらいけど…

姫野桂氏の新刊『生きづらさにまみれて』は、ヘビーな内容が含まれているのにもかかわらず、読了後スッキリとした気持ちになる作品です。
誰もが、何かに対して「生きづらさ」を抱えている現代。
「生きづらさにまみれて」るけど、ときどき立ち止まりながらも、前を向いていて生きている姫野氏の本作を読むことで少しは気持ちが軽くなる方は少なくないのではないのでしょうか。
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