夏のおわりに美しく仄暗い物語を。乙一 著『GOTH』

こんにちは、ノンノ(@nonno_osaki)です。

2019年の8月も今日でおわり。

皆様はこの夏、どんな作品を読みましたか?

夏になると涼を求めて、ミステリー・ホラー作品を読みたくなるのは私だけではないと思います(私は年中、ミステリーを好みますが…!)。

今回は私のお気に入りの『ゾクゾクッ』とする作品を紹介します。

グロテスクな描写も含まれるので、苦手な方はご注意を!

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作者・乙一氏について

『GOTH』の作者は乙一(おついち)氏

作家。1978年福岡県生まれ。

1996年『夏と花火と私の死体』で第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。

2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。他著に『暗いところで待ち合わせ』『ZOO』『失はれる物語』などがある。

引用元 Amazon

乙一氏の作品と出会ったのはいつだったかしら…

10代の終わりから20代のはじめだったと思います。

私が最初に手にした乙一作品が、本作『GOTH』
文庫本の表紙に惹かれ、手に取ったことを覚えています。

他にも『夏と花火と私の死体』『ZOO』といった作品が有名。『GOTH』を読んでからしばらく乙一作品を読み漁ったのを記憶しています。

わたしの本棚でも『夏と花火と私の死体』を紹介しているので、合わせてチェックしてみてくださいね。

『GOTH』の構成|「夜の章」と「僕の章」

文庫版の『GOTH』「夜の章」「僕の章」の2冊に分かれており、それぞれ3編ずつの短編が収録されています。

主人公は高校生の「僕」とクラスメイトの女の子「森野夜(もりの よる)」
2人の興味の対象は猟奇的殺人事件。時折、教室で話すのは気になる事件や犯人の話

『GOTH』では、主人公2人がさまざまな形で猟奇的な事件に関わっていく短編で構成されています。

【夜の章】
暗黒系 Goth
犬 Dog
記憶 Twins

【僕の章】
リストカット事件 Wristcut
土 Grave
声 Voice

短編集ですが、読む順番を間違えるとネタバレしてしまうので必ず【夜の章】から読んでくださいね!

私が特にお気に入りなのは、「犬 Dog」「記憶 Twins」、そして「リストカット事件 Wristcut」

どこをとってもネタバレしそうなので、具体的にどこが好きなのかをお伝えできないのが、もどかしい!!(笑)

もし読了後に共感していただける方がいらっしゃったら、TwitterのDMで送っていただけると喜びます!笑

『GOTH』の登場人物

猟奇的な殺人事件に興味をもつ、2人の主人公について紹介します。

陶器のような白い肌をもつ少女・森野夜

夜(よる)は、クラスの中で孤立している女の子。

森野は黒い色のものしか身につけなかった。直毛の長い髪の毛から靴の先まで暗黒に包まれている。
反対に肌はこれまでに僕が見ただれよりも白く、手は陶器でできているようだった。

ーP.17 暗黒系より

クラスメイトと決して群れることのない夜。

彼女は表情の変化が乏しいけれど、”ロシアで五十二人の女性や子供を殺害した殺人鬼に関する本を楽しそうに読む”というちょっと変わった女の子です。

サイコパスな少年・僕

クラスの中で群れることを望んでいない「僕」。しかし夜とは対照的で、「僕」はクラスメイトと円滑な人間関係を築く努力をしています。

話をしたり、冗談を言ったりしてクラスの中でなじんでいるように見える「僕」

しかしいずれも表面的なつきあいで、クラスメイトに向ける笑顔はほとんど嘘だった。
最初に話をしたとき、森野は僕のその部分を見通して突いてきたのだ。

「私にも、その表情のつくりかたを教えてくれる?」

放課後に、森野は僕の前に直立して無表情にそう言った。

ーP.16 暗黒系より

この時から「僕」の奇妙な交流ははじまりました。

ふたりは猟奇的な事件に対する興味と好奇心から、さまざまな事件に関わっていくことになります。

 

ネタバレしてしまうのでストーリーについては触れませんが、私はこの悪趣味な2人に共感してしまう部分があります。

彼らのように殺人事件の現場を見に行こうとは思わないし、殺したい・殺されたいとも思わないけれど…妙に納得してしまう部分があり…それゆえに、本書を繰り返し読んでしまうのかもしれません。

おわりに|狂気と美に満ちた作品をぜひ

『GOTH』はミステリーです。

私が最初に本書を読んだ時に感じたのは「あぁ…そうきたか…」という「やられちゃった感」でした。(ミステリー好きであれば、想像できるかと思います)

しかし今回読み返してみて、ミステリーとしての面白さ以外にも物語の完成度の高さを感じました。

本書の主人公の2人はちょっと変わっています。ちょっとした変態と言ってもいいでしょう。

でも狂気に満ちた2人の静かな交流は、どこか美しく儚げで読了後に何ともいえない感覚に陥ります。

 

ミステリーのゾクゾクする感じと、若い2人の美しく狂気を伴う交流の魅力、そして読んだあとに感じるふわっとした感覚。

夏の終わりに、そして秋のはじまりにぴったりの1冊です。

 

ぜひ、お手に取っていただければと思います。
そして感想をコメント欄や「わたしの本棚 公式Twitter」に書いていただけると嬉しいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

東京在住、33歳フリーのライター。 20歳の頃からうつ病・睡眠障害に悩まされる。 一度、寛解したものの30代で再発。 現在は会社を退職、フリーライターとして活躍中。 自らの経験をもとに【精神疾患・生きづらさ】を抱える人へ、少しでも生きやすくなる情報を発信している。 お問い合わせ・執筆依頼はTwitterのDMよりお願いします。

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