診断がおりずに苦しむ人がいる。姫野桂 著『発達障害グレーゾーン』

こんにちは、ノンノ(@nonno_osaki)です。

私は10年以上、精神疾患に悩まされており調子の良い時にはその手の本を読んで突破口を探しています。

先月から続けてうつ病や発達障害関係の本を読んでおり、わたほんにて書評も書いております。

「発達障害グレーゾーン」とは

今回、ご紹介するのは「発達障害かもしれない、けど医師からの診断を受けていない」といういわゆるグレーゾーンの人たちにフォーカスした『発達障害グレーゾーン』。

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グレーゾーンと呼ばれる人たち=「グレさん」の存在

グレーゾーンとは読んで字のごとく、発達障害の当事者が「クロ」で、定型発達(健常者)を「シロ」とした際に、その中間に位置する層のことだ。

(中略)

本書ではこれより、グレーゾーンに位置する人たちのことを「グレさん」と呼ぶことにしたい。

[voice icon=”https://mybookshelf.site/wp-content/uploads/2018/08/nonno-profile.jpeg” name=”のんの” type=”l”] グレさん。なんて優しい響きなんだろう。[/voice]

冒頭で思わずこう思ってしまいました。

しかし、グレさんと呼ばれる人たちは医師からの診断がおりないことで様々な不安や生きづらさを抱えているのだと言います。

著者・姫野桂さんについて

著者はフリーライターの姫野桂さん

姫野桂さんTwitter

宮崎県宮崎市出身で生きづらさを専門にライターとしてご活躍されています。

(同じ宮崎出身、同世代ということで勝手に親近感沸いてる…笑)

本書の他にも発達障害の方へのインタビューをまとめた「私たちは生きづらさを抱えている」を出版しています。

また姫野さん自身も、発達障害当事者であると本書で述べています。

本書の内容

第1章 グレーゾーンとして生きる人たち
第2章 グレーゾーン限定の茶話会「ぐれ会!」体験記
第3章 「グレーゾーン限定の会」は、なぜ生まれたのか?
第4章 グレーゾーンを生む「発達障害診断」の真実
第5章 グレーゾーンにとって必要な「支援」の形
第6章 グレさんたちが見つけた生き抜く方法

第1章 グレーゾーンで生きる人たち

第1章では近年注目されている「大人の発達障害」に関してや、「発達障害=すごい才能の持ち主」であるという世間の認識から生まれる当事者の苦しみ。
また、発達障害の傾向はあるけど医師からの診断がおりていないグレーゾーンの人たちの存在について書かれています。

アップル社のスティーブ・ジョブス氏やマイクロソフト社のビル・ゲイツ氏、またアインシュタインなど著名な人々が発達障害であるという事実から、「発達障害=すごい才能の持ち主」であるという印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

これはほんの一握りの人間であって、実際に発達障害で悩んでいる人たちの中には生きづらさを抱えながらも生きている人が多いのだという現実が書かれています。

第2章 グレーゾーン限定の茶話会「ぐれ会!」体験記

第2章では日本で唯一発達障害グレーゾーンの人が集まる会である「ぐれ会!」のイベントに著者姫野さんが参加したレポートのような記事です。

グレさんたちへのインタビューも含まれています。

もしかしたら、自分も発達障害なのではないか…”と悩む人たちにとって、「ぐれ会!」のような集まりがあるという事実を知ることが大きな救いになるのではないかと感じました。

第3章 「グレーゾーン限定の会」は、なぜ生まれたのか?

また、続く第3章では「ぐれ会!」を運営しているOMgray事務局主催者のオムさんへのインタビューが掲載されています。

第4章 グレーゾーンを生む「発達障害診断」の真実

第4章は精神科医の西脇俊二氏へのインタビューが掲載されています。

医師からみた発達障害診断の現状が書かれており、発達障害の診断の難しさや日本における専門医の少なさなどが語られています。

第5章 グレーゾーンにとって必要な「支援」の形

第5章では、障害をもつ人たちの就職に向けた支援を行う「LITALICO仕事ナビ」、発達障害に悩む人たちへ向けた情報を提供している「LITALICO発達ナビ」の編集長をしている鈴木悠平氏へインタビューを行っています。

LITALICO仕事ナビ

LITALICO発達ナビ

障害者雇用で入社したとしても、働くうえでは自分の得意不得意とどう付き合っていくか、その上でどう課題を乗り越えていくのかという、職業生活上の”旅”は長く続いていくわけです。

鈴木氏によると、就職することがゴールではなく「自分自身のキャリアをどう作っていくか」と向き合っていくことが大事なのだそう。

その上で、LITALICOのような支援サービスを利用し自分の強みや弱みを知った上で足りない部分を支援してもらるように伝えることが大事だなと感じました。

第6章 グレさんたちが見つけた生き抜く方法

人それぞれに日常の中での「ライフハック」がある

第6章では著者姫野さんがグレさんたちに聞いた「ライフハック」を紹介しています。

もちろん、これをそのまま取り入れたからといって、生活が劇的に改善することは難しいだろう。
ただ、それを自分なりにアレンジしたりして、ちょっとした心がけをすることで、ぐんと仕事や日常生活において生きやすくなるのは、今回取材させてもらったグレさんたちが実証してくれた。

紹介されているさまざまなライフハックは、発達障害当事者やグレさんでなくとも使える内容が書かれています。

たとえば…私自身のライフハックをご紹介します。

私は決められた時間に待ち合わせの場所に行くことが苦手。
相手に申し訳ないと思いつつ、遅れてしまうことが多々あります。(いつも早めに行動することを心掛けているのにも関わらず…)

私の場合”集合時間の40分前に到着するようにスケジュール帳に書く”ことで遅刻をしないように気を付けています。
自分自身をだますんですね。これで、ちょうどいい時間に到着するのが不思議なものです。

このような日常生活での困りごとに対するライフハックが書かれているので、”なんだかうまくできない””みんなは当たり前にやってるのになぜかできない”問題を解決するアドバイスになるのではないでしょうか。

おわりに

本書は、発売当初から話題になっており世間の発達障害に対する関心の高さを感じます。

それと同時に、SNSの発達などによる情報の多さから”自分は発達障害なのでは…”と疑う人が多くでてきているのも感じています。(私自身も、そのひとりでした)

どちらにせよ、重要なのは「どう生きていくか」ではないでしょうか。
発達障害であっても、グレさんでも、別の理由により生きづらさを感じているだけであっても、自分自身が抱える問題に向き合いどう乗り越えていくか

自分ひとりでは難しい場合、誰に相談すべきか、どの機関に問い合わせればいいのか

このように迷う人たちに対して選択肢を増やしてくれるのが本書だと感じました。

 

悩んでいる人も、そうでない人も「こういう人たちがいるんだ」ということを知る為に読んで欲しいなと思う1冊です。

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