こんばんは、のんのです。
先日、近所の本屋をふらふらしていると、気になる文字が目に入ってきました。
いま、セックスで生きてる。
ハタチになったら死のうと思ってた

あまりにもインパクトのある帯とタイトルに、見入ってしまい、そのまま本を手に取りレジへと向かいました。
本日は、この衝撃的な本をご紹介します。
様々な背景をもつAV女優たち
本書は、「名前のない女たち」「職業としてのAV女優」の著者である中村淳彦氏の作品です。
19名のAV女優によるインタビューをもとに、本書は構成されています。
目次をみると、インパクトのあるタイトルが並んでいます。
●第一章 死のうと思った女、これから死ぬ女
ーお母さんと弟がセックスしまくった
●第二章 淫乱女子の憂鬱
ーセックスは十人十色
ーヤリマンは、本当のこと
●第三章 お母さんは自殺しました
ー失踪した母親が自殺した
などなど。
「3年前。我慢できないことがあって家出して、上京してAV女優になりました。家出した理由は、信じてもらえないかもしれないけど、お母さんと弟がセックスをしまくったことです。」
(第一章 死のうと思った女、これから死ぬ女 新城希)
「寂しさは埋まるといえば、埋まる。男の人にお姫様扱いをしてほしくて、かわいいね、かわいいねって大事にされたい。(中略)だから、AV女優。本当にいい、自分にぴったり。」
(第二章 淫乱女子の憂鬱 小西まりえ)
震災の年、兄は自分の部屋で首を吊って自殺した。
「私が死ね、死ねって言った。そうしたら、死んでくれた。はは。」第二章 淫乱女子の憂鬱 有奈めぐみ
このように、あまりにも壮絶と言える過去や考えをサラっと語るAV女優たち。
AV女優と一言でいっても、AV女優になった背景やそれぞれが抱える思いは様々です。
あらゆる出来事に絶望した結果、AV女優という道を選んだ者。
セックスが好きで好きで、AV女優は天職だと感じている者。
貧困の末、たどり着いたのがAV女優だった者。
AV女優という肩書きを武器に世に出ていこうとする者。
AV女優たちの生の声を、本書では感じることができます。
性産業の背景に潜む光と闇
あとがきで、著者は
本書では死ぬ、死にたい、死んだ、という語が多かったが、それはたまたまであるものの、快楽を扱う世界は死と表裏一体であることに他ならない。
と述べています。
本書を読んで、生きること、死ぬことに対する様々な感情が沸いてきました。
性を売りにしている彼女たちにとって、生と死はわたし達以上に近い存在であり日々向き合っているものなのかもしれないなぁと想像してみたり。
わたしは、26歳の時に2度目の上京をしました。
キャリアも何もない状態で上京を決めた時、「まだ若くてキレイだから、いざとなったらカラダを売って生き延びよう」と考えていたことを思い出します。(今思うと、結構な覚悟を持って上京したものです)
本書を読んだ後こんなゆるっとした気持ちで性産業へ足を踏み込むことを考えたことを申し訳なく思いました。
女性にとって自らの性を売りものにする事は古くから行われていたことであり、これからも続いていくのでしょう。
ひとりの女性として、本書を読む機会を持てて良かったと思います。
正直なところ、まだ気持ちの整理はついていません。しかし、こういうリアルな声が世に届くことは大切なことですし性産業に対して考えることも大切なことだと考えています。
善か悪か、光か闇か。
本書を読むことで、何かを感じ取ってみてください。
[…] 著『ミシン』 ●AV女優の光と闇。 中村淳彦 著『ハタチになったら死のうと思ってた』 […]