皆さま、お久しぶりです。書評書くの半年ぶりです。書評読むの楽しみと言ってくださった方もいたのに、すみませんでした。ぼちぼち復帰します。
久しぶりなので、今日は毛色を変えて漫画です。王道で「ガラスの仮面」。
連載開始から40年以上たった今も完結を待つ、大作です。今は49巻まで出ています。
私は名言とか格言とかが好きで、座右の銘がいっぱいあるんですが(聞かれると思い出せないけど笑)、この「ガラスの仮面」がアニメ化した時のポスターにあった
「逆境は最高の舞台」
という言葉はすごく心に残っていて、しんどい時にはいつも心の中の月影先生が「立ちなさい…!逆境は最高の舞台よ!!」と叱咤激励してくれます笑
ガラスの仮面はとても有名な作品なので、ご存知の方も多いと思いますが、軽くあらすじとキャラクターを書いておきます。
あらすじ
そんな月影千草に、ひょんなことから演劇経験ゼロの少女・北島マヤは天性の演技の才能を見出され、「紅天女」候補として女優を目指す事となる。しかし「紅天女」を目指す女優はマヤだけではなかった。演劇のサラブレッド女優、姫川亜弓はマヤの才能を見抜き、ライバル視する。
北島マヤ、姫川亜弓の2人の若き天才女優を軸に繰り広げられる演劇大河ロマン。
キャラクター
北島マヤ→演劇が大好きな天才少女。様々な苦難を根性で乗り越え紅天女を目指す。演技をしているときは役に入り込んでおり、泥まんじゅうでも食べられる。ショックを受けると白眼になる。

姫川亜弓→映画監督の父、女優の母を持つサラブレッドの美少女女優。天才と言われているがものすごい努力家で演技に関しては決して妥協せず、役作りのためにはスケバンと喧嘩する事も辞さない。マヤの良きライバル。

月影千草→紅天女の後継者を探すかつての大女優。演技向上のためにマヤと亜弓を-20度の冷凍庫に閉じ込めたり、わりと無茶苦茶な事をする。持病がありよく危篤に陥るが、連載40年、まだまだ生きている!

速水真澄→「大都芸能」の若き鬼社長。マヤには嫌われているがその正体は、マヤの初期からの大ファン「紫のバラの人」。鬼社長なのにしょっちゅうマヤに顔を赤らめたりする意外とピュアな人。長期連載の絵柄の変化によりどんどん馬面になっている。

他にも色々なキャラクターがいますが、とりあえずこのメンバーを覚えておけば、話は進んでいきます!(ちなみにマヤちゃんの紹介のところに、『ショックを受けると白眼になる』と書きましたが、これはマヤちゃんに限ったことではありません)


二人の王女編
ガラスの仮面では、基本的にマヤや亜弓が演じる演劇ごとに区切りがあり、「若草物語編」「真夏の夜の夢編」など、色々な演劇が作中で上演されます。既存作品とオリジナル作品は半々くらいです。よく執筆がストップするガラスの仮面ですが、作者の美内すずえさんによると、ガラスの仮面を描くのはとても大変な作業だということです。なぜかというと、「ガラスの仮面」は演劇漫画の中に、漫画内で行われる演劇が劇中劇のような形で入ってくる二重構造になっているため、
「これまでにストックしていた漫画のためのネタがどんどんガラスの仮面の劇中劇に使われていく」
ということだそうです。確かに、出てくる劇中劇がどれも面白いんだ・・・。
どのエピソードについても書きたいんですが、なんせ49巻もあるので全部書いていたら100年くらいかかっちゃいそう。というわけで、今回はわたしが一番好きな劇中劇「二人の王女」編のことについて書こうと思います。
「二人の王女」はガラスの仮面の中盤に出てくる劇中劇で、マヤと亜弓が本格的に同じ舞台に立ち、それぞれ王女を演じるという萌える設定です。完全オリジナルの演劇ですが、とてもよくできたお話だと思います。
ほんと、「二人の王女」の漫画だけで十分読んでみたい。絶対面白いと思います。
この「二人の王女」、キャスティングの時点からもめます。姫川亜弓が先に王女役に決定し、もう一人の王女役はオーディションで決めることになるのですが、マヤがそのオーディションを勝ち抜いていくところも大変面白いです。
その後、王女役に決まった二人がどちらの王女を演じるかが決まるのですが、それまでの流れからいくと、復讐と野心に燃えるオリゲルドはマヤ、輝く美少女のアルディスは亜弓・・・と皆が(マヤと亜弓本人たちも)予測するのですが、そこを裏切るのが月影先生。「二人を女優として開花させるために、わざと予測を裏切るキャスティングをしましょう」ということになり、オリゲルド=亜弓、アルディス=マヤというキャスティングになります。

当然二人は役作りに困ってしまい、月影先生に助けを求めてスパルタレッスンが行われるのですが、この時月影先生がマヤにいうセリフがいいです。
「アルディスの仮面をかぶるにはどうすればいいか想像力を働かせなさい、マヤ。想像力は知識以上のものを生み出すわ」
自分にも事あるごとに言い聞かせたいセリフです。
また、この「二人の王女」ではそれまであまりお互いに近寄らなかったマヤと亜弓が仲良くなっていく描写もあり、それもいいです。ライバルだけど友達という、王道をいく二人の関係が熱い。(ちなみに亜弓さんは中学生の時にラフマニノフのピアノコンチェルトを弾いた事があるという衝撃の事実が明かされるのもこの「二人の王女」編です笑)
実際に上演される時、漫画では文庫版をほぼ3冊くらい丸々使ってやるので、とにかく詳しく二人の演技が描写され、華やかな演技バトルを見ることができます。

終わりに
「ガラスの仮面」は少女漫画ですが、老若男女問わず全ての人に訴えかける力を持った名作漫画だと思います。わたしにとっては人生のバイブルです。ぜひ、ご一読ください!そして一緒に完結を待ちましょう笑
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