シンプル、けれども深い、校閲のお仕事。宮木あや子 著『校閲ガール』

こんにちは、すーちゃんです。
2月が終わりますね。毎月言ってますけど、月日の流れは早いですね…
おもしろい小説と出会ったので、書評を書かせていただきます。
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校閲ガール

3年半くらい前に、石原さとみ主演でドラマ化された、『校閲ガール』です。
当時わたしはドラマを見ていなかったのですが…
この小説のように、昔からわたしは、小説の誤植や誤字・脱字を見つけることが得意でした。
何の因果か、転職して入社した広告代理店で、今も校正しながらその力を発揮しています。笑
そのため、この『校閲ガール』を頷きながら読みました。おもしろい。

宮木あや子作品

宮木あや子さんの小説は、『花宵道中』以来 久しぶりに読みました。
『花宵道中』という小説が、とにかく大好きで、わたしが京都で花魁変身体験(これが趣味のひとつです)をするようになったきっかけの本です。
今度 書評を書きたいですね。

校閲というお仕事

主人公・悦子はファッション誌志望で出版社に入社したものの、名前がそれっぽいということで、校閲部に配属させられる。
その校閲部でのストーリーなのですが、悦子のハキハキしたところや、上司でも言い返すところがかっこいいです。
(ゆとりと言われたときの返し方は、わたしも見習いたいです)
校閲とは、「文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりする」こと。
まず、章ごとの扉ページの裏に、悦子の研修メモが載っていて、いちいちおもしろい。
「初校」「再校」あたりは、わたしも仕事で使っている言葉です。
個人的に「校了日」=編集者が家に帰れない日、で笑いましたが、よくわかります。
わたしにとっても、校了日(弊社では=入稿日)は、仕事から帰るのが遅くなる日であり、結局 同じだな…と思いました。笑

校閲・校正

わたしも校正をしていて、明らかなミスを見つけると「作っている本人は気づかないものか…」と不思議な気持ちになります。
読み返してないのだろうか…?と。
また、最終の校正チェックで大きなミスを見つけて「はっ!?」となって修正することも、ままあります。
校閲・校正って難しいけど、楽しいです。
世の中に出る前に、自分たちでミスを食い止めるぐらいの気持ちでやっています。
この小説を読み、同じようなお仕事をやっている人には、お互い頑張りましょう と声をかけたくなりました。
ぜひ、シリーズの続きも読みたいです。

解説から見えること

解説は角田光代さん。
解説の中で、宮木さんについて、いろんな書き方ができるのはすごいということを書いていました。
本作で悦子は、文芸誌の校閲を担当しています。
小説がいくつか登場し、それに赤を入れるように1ページ半ぐらい小説が抜粋されます。(もちろん架空のもの)
それがまた別の作家の小説であり、書き方の癖や特徴がそれぞれに出ていて、読んでいてもおもしろいです。
小説の中に、さらに小説が登場する。
言葉で書けば簡単なのですが、容易ではないことは想像がつきます。
角田光代さんの校閲エピソードで、
自分が書いていて忘れている部分も書き出してくれる、という内容があり、さすがだなと思いました。
作家ならだれでも、校閲の話をはじめると止まらなくなると思う。そのくらい校閲の仕事は多岐にわたっているし、校閲者のありようも多岐にわたっているのだ。
以前 Twitterか何かで、校閲で赤を入れたゲラを見たことがあります。
その小説に登場する日時から、月の位置までを確認していたのを見て、正直、感動しました。
悦子も作中で、「その分野に詳しくなる」と話していましたが、プロってかっこいいなぁとそのとき、思いました。
この小説を読み、改めて仕事を頑張っていこうと思ったので、やっぱりお仕事小説は良いですね…!!!

以前、さち子さんも書評を書かれていたので、こちらもぜひ読んでいただければと思います。

私の正義はどこにある?宮木あや子 著『校閲ガール』

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1992年、愛媛県西条市生まれ/新居浜市育ち。愛知県名古屋市在住。 『わたしの本棚』ライター。 好きな本のジャンルはミステリー。読書歴は約10年。 辻村深月、東野圭吾、森絵都、恩田陸、原田マハ、村山由佳作品をよく読みます。(敬称略) 辻村深月作品が特に好きで、情報収集や考察が日課。また、作品の舞台になった街へ赴く、聖地巡礼も楽しい。 読書の他に、旅行、アルトサックス、お菓子作りも好き。