こんな歯科医院なら通いたい!坂木 司 著『シンデレラ・ティース』

こんばんは、すーちゃん(@suexxsf)です。

気づけば、8月も最終日。明日は9月!?
時の速さにマジで付いていけません…

8月は終わりますが、夏っぽくて爽やかかつ、わたしの大好きな小説を語っていきます。

バイブル本

個人的なお話になりますが、昨年の7月に今の職場に転職しました。
前職は歯科業界という、ニッチな業界で、新卒から3年ほど働いていました。

わたしは大学時代にアルバイトをしていた頃から、小説を通してバイブル本を持つことにしています。
結婚式場でアルバイトしていた頃は、辻村深月 著『本日は大安なり』。

ビジネスホテルのフロントで働いていたときは、東野圭吾 著『マスカレード・ホテル』シリーズ。

そして、新卒で入社し、3年と少し働いていた前職の歯科関係のメーカーのときに、本作がバイブル本でした。

坂木 司さんの小説を初めて読んだのは、『和菓子のアン』でした。

そのあと偶然手に取った本作がとても好きになり、何度も読み返しています。

シンデレラ・ティース

あらすじ

大学の夏休み、アルバイトを探していた歯医者嫌いの咲子。
母親の策略に引っかかり、なぜか叔父が勤めるデンタルクリニックの受付で働くことになってしまいます。

最初は嫌々ではありますが、徐々にデンタルクリニックのスタッフとも打ち解けます。

そして、そのデンタルクリニックで起こる不思議な出来事に対して、歯科技工士(院内技工士ってかなり少ないと聞いたことがありますが…)の四谷さんと一緒に謎を紐解いていく…というストーリーの、連作短編集です。

「歯科技工士」にスポットを当てたストーリー

『シンデレラ・ティース』の個人的に好きなところは、歯科技工士にスポットが当たっているところです。

そもそも歯科は分業制で、入れ歯や銀歯を作っている人が歯科医師以外にいるということを、この小説を読んで初めて知りました。
歯科技工士は歯科医院にはあまり常駐していない場合が多く、全体の9割以上(記憶が曖昧…)は小規模の技工所にて、個人で仕事をされているそうです。

前職ではその歯科技工士さんと関わることが比較的多かったので、その頃を思い出しながら、懐かしい気持ちで読みました。

この小説を通じて、少しでも歯科技工士さんに興味を持ってもらえると嬉しいなと思います。

歯の大切さ

歯は、食べるためだけにあるわけじゃない。歯がなければ、話すことも難しくなる。だからこそ人は義歯や床義歯を作るのだ。

「口は…コミュニケーションの入り口でもあるんですね」

今回、久しぶりに読み返し、改めて歯の大切さを痛感しました。

わたしは幼い頃、爪を噛む癖があり、永久歯が生えてきたときには想像通り、出っ歯になりました。
下の歯も歯並びが非常に悪かったこともあり、中学・高校時代に歯列矯正をしました。永久歯は4本抜きました。

その当時の先生のことがあまり好きではなく、ある意味、歯医者苦手な咲子と同じ状況です。
歯科に通うことを長らくサボっています…

歯科医院を好きという人は、正直、なかなかいないと思います。
この小説の中に登場する歯科医師や歯科技工士の方々の気持ちが、とても患者想いで素敵でした。
例えば虫歯が痛くなってからでは支障を来すし、わたしもそろそろ歯科検診に行きます。

読者の皆さんにとっても、本作がそのきっかけになれば嬉しいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1992年、愛媛県西条市生まれ/新居浜市育ち。愛知県名古屋市在住。 『わたしの本棚』ライター。 好きな本のジャンルはミステリー。読書歴は約10年。 辻村深月、東野圭吾、森絵都、恩田陸、原田マハ、村山由佳作品をよく読みます。(敬称略) 辻村深月作品が特に好きで、情報収集や考察が日課。また、作品の舞台になった街へ赴く、聖地巡礼も楽しい。 読書の他に、旅行、アルトサックス、お菓子作りも好き。