これほど深い愛情を、わたしは知らない。東野圭吾 著『容疑者Xの献身』

こんにちは!すーちゃん(@suexxsf)です。

今日は大晦日。
1年ってほんと、早すぎなのでは…!?と毎年 思っています。
皆さんにとっては、どんな1年でしたか?

6年ぶりの、ガリレオシリーズ新刊『沈黙のパレード』

※ 少しだけ、別の作品の話をします。

今年、ガリレオシリーズの『沈黙のパレード』が刊行されました。
前作『禁断の魔術』刊行から6年。
「ガリレオ、再始動!」というコピーのもと、帰ってきました。

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久しぶりの新刊。わくわくしながら読んだら、やはり圧倒されました。東野氏すごい。
圧倒ゆえに、書評を書くことすらできなかったのです。

ガリレオシリーズの特集

福山雅治さん主演でドラマや映画にもなり、人気のガリレオシリーズ。
先日、文藝春秋BOOKSさんがガリレオシリーズの特集記事を掲載していました。

ガリレオシリーズといえば『容疑者Xの献身』がやっぱり人気だよなぁ〜と思っている中、ちょうど本作のインタビュー記事を見つけ、読んでみました。

『容疑者Xの献身』について、

「一つの事件を扱った、正統派ミステリーの中では、自分の最高傑作」

と東野氏 ご本人が語っていて、久しぶりに読み返したくなったのです。

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『容疑者Xの献身』について

第134回直木賞を始めとした賞を多く受賞し、5冠となった本作。
映画化も舞台化もされ、海外でも映画化されています。
それほどまでに人気が高い作品だと窺えます。

『容疑者Xの献身』映画版 予告

ガリレオシリーズの中では、『探偵ガリレオ』『予知夢』に続き、3作目にあたります。

あらすじ

数学の天才・石神は、私立高校で数学教師として働きながら、不遇の日々を送っている。
そしてアパートの隣の部屋で、一人娘と暮らす靖子に、ひっそりと想いを寄せていた。

そんな折、彼女たちが前夫を殺してしまったことを知ってしまう。
彼女たちを守るため、石神は完全犯罪を作り上げる…

見どころ

ガリレオシリーズではまず、奇怪な事件が起こります。
困り果てた草薙刑事が、ガリレオ先生こと天才物理学者の湯川先生に助けを乞う…という流れです。

しかし本作が、先の2作の短編集と異なるところは、石神と湯川が大学時代の同級生であり、かつての親友であるということ。

数学者VS物理学者という戦いも見どころです。
(文系のわたしは全く付いていけません。来世は理系に生まれて、もう少し楽しく読みたいです)

湯川の苦悩

今回、湯川は苦悩します。真相に近づくごとに、苦しみます。
友人を疑いたくない、失いたくないという気持ちとのせめぎあい。
対峙のシーンは正直、読んでいてつらくなります。

トリックそのものもそうですが、ラストへの畳み掛けが驚きです。

「極めて単純な、だけど常人には思いつかない、常人なら絶対に選ばない方法を選ぶことで、問題を一気に複雑化させる」

という、天才こそが選ぶようなトリック。
単純なはずなのに驚きました。ぜひ、読んでほしい。

深い愛情

ネタバレになるので詳しくは書きませんが、「献身」というタイトルの重みを実感する物語です。

わたしは、これほどまでに深い愛情を知りません。
尋常じゃない。わたしにはできない。

人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある。

この言葉は以前 読んだときも心に響きましたが、今回はまた違った重さと共に、受け止めることができました。

悲しき末路

そして、ラストシーン。悲しき末路。
本当に悲しい。

「その頭脳を――その素晴らしい頭脳を、そんなことに使わねばならなかったのは、とても残念だ。非常に悲しい。この世に二人といない、僕の好敵手を永遠に失ったことも」

湯川のこの言葉からも無念さが伝わり、いたたまれない気持ちになります。

人生の全てを賭けてまで、守りたかったもの。
これが本当の愛なら、この作品以外ではもう見ることができないかもしれません。

愛って何だろう。読み終えてからずっと、心の中で留まっているような作品です。

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年末のご挨拶

2018年も終わり。
今年も多くの本に出会えて、幸せでした。

また、わたほんを始めて、明日で7ヶ月。
縁あって一緒に書評を書いている書評家メンバー、読んでくださる読者の皆様、そして素敵な本を世に出してくれる、本に携わるすべての方々。
ありがとうございました。

皆様にとって、2019年も輝かしい1年でありますように。
そして、わたほんがもっと大きくなるよう、飛躍の1年にしたいです!
来年も「わたしの本棚」を、どうかよろしくお願いいたします。

ABOUTこの記事をかいた人

1992年、愛媛県生まれ。愛知県在住。『わたしの本棚』ライター。 好きな本のジャンルはミステリー。読書歴は約10年。辻村深月、東野圭吾、森絵都、恩田陸、原田マハ、村山由佳作品をよく読みます。(敬称略) 辻村深月作品が特に好きで、情報収集や考察が日課。また、作品の舞台になった街へ赴く、聖地巡礼も楽しい。 今まで読んだ本で1番好きなのは、辻村深月 著『子どもたちは夜と遊ぶ』。何度も読み返してるのは、同じく辻村深月 著『スロウハイツの神様』。初めて読んだ高校時代から現在も、わたしに影響を与え続ける、大切な作品たち。 読書の他に、アルトサックス、お菓子作りも好き。