変化した消費者の心を掴む方法とは?佐藤尚之 著『明日の広告』

わたしたちの身の回りに、広告は溢れている。
テレビCMから始まり、ラジオ、新聞、雑誌は4マスメディアと呼ばれている。
しかし今は、インターネットを筆頭に、広告の形がどんどん変わってきている。

…ということをきちんと調べて知ったのは、今から4ヶ月前のことでした。

その頃わたしは、転職活動をしていました。

きっかけはここ、「わたしの本棚」。
わたほんを形にしていくにつれ、プロモーションや宣伝の仕方、それらの媒体に興味を持ち始めました。
結果、新卒で入社した会社を3年で退職して、広告代理店に入社したのが、先月のことでした。

広告について勉強しなければ…と思い立ち、「広告 新入社員 本」みたいな検索で最初にヒットしたのがこの本。
明日の広告』です。

 

広告=消費者へのラブレター

これまでの広告

冒頭から、広告がどのように変遷していったかを、ラブレターを例に提示してくれます。

もともと広告とは、コンテンツ同士の間に隠れているもの。
著者の言葉を借りれば、

つまり広告は、「消費者が予期せぬ時に偶然を装って現れ出会うもの」だったのである。(中略)偶然出会うから記憶に残る。これこそが基本的な「広告の構造」なのである。

例えばテレビCM。いわゆるお茶の間でじっとしていた人にはよく効いていたそうです。
不意に、現れる広告。だからこそ、認知させたいときに向いていました。

急展開した時代

しかし、今、周りを見渡せばわかるように、メディアそのものの数が一気に増えました。
ここ10年で情報量は410倍以上に増えたとか。
明らかに、処理しきれない情報の波に飲まれていますよね。
そんな状況で、消費者が広告に触れる確率自体が減ってきています。

わたしの場合、小学生の頃から教室にパソコンがありました。
自然とパソコンに触れ、インターネットで検索し、YouTubeで笑う、みたいなことが当たり前になっていた世代だったので、これが大きな変化と言われても、最初は正直、ピンと来ませんでした。
しかし、情報収集する媒体という意味で考えれば、どんどん世の中が変わってきているのだなぁと思います。

本作の前半では、そういう危機感を感じました。

変化した消費者

受け手から送り手へ

これまで、メディアを通じて、流行や情報は発信されていました。
その頃はいわゆる「受け手」だった消費者も、今は自分からブログやサイト等で自分の意見を発信できるようになりました。つまり、「送り手」になっています。

インターネット上にも、比較サイトは多くあります。
口コミも侮れず、まずそれを確認してから購入に至るというケースも、少なくないでしょう。
口コミというのはつまり、購入した人からの「これオススメ!」と言った意見ですよね。

著者も、本作で、

変化した消費者は、長めにつきあってあげることで、実は強力な味方になる。

と書いていたこともあり、今後の消費者との向き合い方というのも、考えさせられます。

消費者を分析する大切さ

本作から特に、消費者を観察し分析することや、消費者本位の考え方に切り替えることの大切さを感じました。
急激に変化した時代、変化した消費者。それならば、自分たちも変化しなくては。

「広告は、企業のソリューションから消費者のソリューションへ変わっていかないといけない」

この言葉が、本作そのものを表しています。

広告があるからこそ、安価に利用できるサービスは、今も多くあります。
民放はまさにそうだし、新聞・雑誌も高価になるはず。

著者が、「広告は、社会のインフラだ」と書いたあとがきを読み、これからのやり方にかかっているのだと強く感じました。
とてもわかりやすく読みやすい一冊なので、広告業界以外の方にもおすすめです!

ABOUTこの記事をかいた人

1992年、愛媛県生まれ。愛知県在住。『わたしの本棚』ライター。 好きな本のジャンルはミステリー。読書歴は約10年。辻村深月、東野圭吾、森絵都、恩田陸、原田マハ、村山由佳作品をよく読みます。(敬称略) 辻村深月作品が特に好きで、情報収集や考察が日課。また、作品の舞台になった街へ赴く、聖地巡礼も楽しい。 今まで読んだ本で1番好きなのは、辻村深月 著『子どもたちは夜と遊ぶ』。何度も読み返してるのは、同じく辻村深月 著『スロウハイツの神様』。初めて読んだ高校時代から現在も、わたしに影響を与え続ける、大切な作品たち。 読書の他に、アルトサックス、お菓子作りも好き。