はあちゅう初の小説集!7つの人間関係を描く『通りすがりのあなた』

友達でもない、恋人でもなく、どの言葉も当てはまらない、そんな関係の人いませんか?

ブロガー・作家のはあちゅうさんの初の小説集の本作品通りすがりのあなたでは

「名前のつけられない人間関係」の話が7つ収録されている。

人の数だけ人間関係があっていいし、その関係性の数だけそれぞれのルールがあっていい。

7つの話それぞれの人間関係ももちろん異なっていて。どの関係もやっぱり名前はつけられない関係だけど、近すぎず遠すぎず心地よいそんな関係。

この本の帯のコメントも書かれている甘糟りり子さん主催の本作品が課題図書の読書会にも行きました。そんな大好きな1冊の中から3つだけご紹介します。

妖精がいた夜

恋人に振られ人生のどん底にいる真美は友人に妖精フェアリーを紹介してもらうことになるお話。

真美のようにどん底にいる人や疲れてしまっている人におすすめ。肩の力が抜けるようと同時に毎日が大切に思える作品。

「いつか全部夢になりますよ」

六本木のネバーランド

特に好きな作品です。大学生の美咲は合コンで出会った森さんがニューヨークにいる間森さんの部屋を借りることになる。その間二人はメールのやり取りをすることになるお話。

年上の男の人との接し方を知り尽くしている美咲だけど森さんは他の男の人とは少し違う。お互い恋愛感情はないけど友達という訳でもない。まさに名前のつけられない関係。LINEの早くて短いやり取りが主流の世の中で、メールで週1回のやり取りをするのも素敵。そのやり取りの中でニューヨークとの時差を考えて、向こうは今何時なのかなと考えることさえも楽しいだろうなって。

個人的には私の名前が美咲だから好きな作家さんの作品に自分の名前が出てきたのは嬉しい。

世界一周鬼ごっこ

1番最後に収録されているこの作品が1番お気に入り。

初めて世界一周に挑戦するリサは先に行くコウを追いかけていく。

「俺は生きたコミュニケーション主義なの」

SNSを一切やらずに見せたい人には直接見せればいいというコウ。

誰もがSNSをやっていていつでも繋がれる時代。その中で生きているその瞬間を大事にしないとと思う。

世界5周したら消えられるという都市伝説があるらしい。本当かは分かりかねるが途中で消えてしまうひとはいるらしい。5周した人にしかきっとわからない世界。5周とは言わないが世界1周はしてみたい。コウが世界2周目のように世界は何周でもできるというのは考えればその通りだけど、1周したら終わりだとなぜか思ってしまっていた。

でも世界のどこにいても自分は自分。

 

どの作品もまさに「通りすがり」の関係だけどきっと一生忘れない相手になる。

人との出会いや繋がりを今まで以上に大事に思える繰り返し読みたい1冊。

紙やインクの色にもこだわっている作品なのでぜひ電子書籍ではなく紙の本で読んでみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

1996年、東京都出身。 読む本のジャンル:恋愛、ミステリーの小説メイン。たまにエッセイや自己啓発。 好きな作家:有川浩、西加奈子、はあちゅう、湊かなえ、東野圭吾 (敬称略) など 個人のInstagramでも読んだ本を紹介しています。 わたほんの公式Instagramも担当 年間読書数100冊以上。