第15回宝島社の「このミステリーがすごい!」大賞の最終選考に残り、惜しくも大賞は逃したものの、作品にしたいと作品に与えられる「隠し玉」となったこの作品。その名も『スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)』だ。

あらすじ
麻美の彼氏の富田はスマホを落としてしまう。ただそれだけだった。すぐに富田のもとにスマホは戻ってきたが、運悪くそのスマホを拾った男は凶悪なハッカーだった。男はスマホに映る黒髪美人の麻美を気に入り、抜き取った富田のデータから麻美を監視し始める。Facebookを操り他人に成りすましていく、、。一方で山から女性の死体が次々に発見される。彼女たちは全員黒髪で全裸という共通点があった。
インターネット社会ならではの新しいミステリー。
3つの視点で繰り広げられていくストーリー
A スマホを拾った男
B スマホの落とし主富田の彼女の麻美
C 山中から発見された死体の事件を捜査する警察
3つの視点がローテーションして話は進んでいく。
徐々に麻美に近づいていく男、身の危険に気づかない麻美、死体の身元も判明せず手がかりがなかなか掴めない警察。
インターネット社会だからこそのミステリー
スマホやインターネットなしでは生きていけない現代。Facebookなどを使えば10年前の知り合いと繋がることも容易い。その反面名前や勤務先、写真が自分の記憶と合っていればその人だと思い込んでしまう。また、もしも「このデバイスはロックされました。ロックを解除して恥ずかしい写真を投稿されたくなかったら、24時間以内に30万円を支払いなさい」なんてメールが来たら、、?
誰にでも起こりうる!?あなたのスマホは大丈夫?
日本人はセキュリティに対する意識が低い。世界一優秀な警察がいるのだから、今までは、多少、油断しても良かったが、インターネットの世界ではそうはいかない。
スマホを拾った男はハッカーで用意周到で他人になりすましていくが、パスワードさえ手に入れれば他人の個人情報なんてすぐに手に入ってしまうもの。自分の身にも起こるかもしれない、もしこんなメール来たらどうするだろうか、、と他人事とは思えなくなってくる。
このマンガがすごい! comics スマホを落としただけなのに (このマンガがすごい!Comics)もされた話題作。ぜひ一度読んでみては?