「この世には、目に見えない魔法の輪がある」
「輪には内側と外側があって、私は外側の人間」
「でもそんなのはどうだっていいの」
「――私は、私がきらい」
こんにちは、みきです!
みなさんは、ジブリ映画はお好きですか?
今回は、ジョージ・G・ロビンソン原作、米林宏昌監督によって映画化もされた作品である、「思い出のマーニー」について、原作と映画と、ジブリの教科書に沿ってご紹介をしたいと思います。

あらすじ
家族を亡くした主人公アンナは、優しい夫妻に引き取られ暮らすことになります。
けれどすべてのことに無気力で、学校でも孤立し、心配した夫妻のはからいでひと夏を田舎町で過ごすことに。
そこでアンナはマーニーという不思議な少女に出会います。
アンナの抱える憂鬱
映画沿いで解説をすると、主人公アンナは養父母が自分に黙って国からお金を貰い自分を養っていることにとてもショックを受けています。
喘息を持っていて、いつも憂鬱を抱え、冒頭に記した通り自分は輪の外の住人だ、と思い込んでいます。
そんなときに夜の湿地で出会った不思議な少女、マーニー。
マーニーはきらびやかな両親を持ち、綺麗なお屋敷に住む、アンナとは真逆の要素を持った女の子でした。
秘密の存在
「少女は誰しも不思議な美少女を胸の内に住まわせている」
ジブリの教科書の冒頭で、作家の唯川恵さんがこう述べています。
アンナとマーニーは出会った当初から意気投合し、お互いのことを“大切なひみつ”として、まるで自分の半身であるかのように寄り添います。
「あなたは私の大事なひみつよ」
「ねえ約束して。あたしたちのことは誰にも内緒よ」
二人は夜の湿地でボートを漕ぎながらこう約束し、指切りをします。
誰にも心を開かなかったアンナですが、マーニーの不思議な魅力にひかれていき、次第に笑顔を見せるように。
共通点
真逆に思われる二人ですが、実は多くの共通点がありました。
マーニーはきらびやかな両親に囲まれ、豪華なパーティに招待されたり、綺麗なドレスを着たりしていますが、その反面、奔放な両親にほったらかしにされて寂しい思いをしています。
アンナが自分の養父母は国からお金をもらっていて、それを自分に黙っているということを苦しんでいる、と打ち明けた時に、
「あなたはもらいっこで、幸せだと思う。もしもあなたが身寄りのない子供なのだというのなら、その時養子にしてくれたお父さまお母さまこそ、本当に親切な人だと思うわ」
苦しむアンナにこんなにまっさらな言葉をかけられるのは、マーニー自身が寂しい思いをした、アンナと同じ悩みを抱える一人の女の子だから。
二人はお互いを強く抱きしめあい、絆を感じ取ります。
二人の関係
すでに原作や映画をご覧の方ならおわかりでしょうが、アンナとマーニーの間には強い関係性があります。
未読のかたにもぜひ手にとっていただきたいので、あえて結末は言いません。
原作と映画どちらも手に取ってみると、アンナの性格やキャラクターの名前が違ったりして面白いので、ぜひ比較してみてくださいね。

▲ジブリの教科書には上の写真のように初期設定イラストもたくさんのっています……!