永遠の少女小説、モンゴメリ 著『赤毛のアン』の世界の魅力

昔、教室の隅の本棚で見かけた本。有名な作品で、そういえばあの時教室にいた誰かが読んでいた気がするけれど、どんな内容なのかは知らない。そんな、ある意味謎めいた本ってきっと誰にでもありますよね。

はじめまして、新人ライターのみきです!初めての記事を投稿するにあたって、どの本をご紹介しようかとても悩みました。ですが、きっと誰もが一度は聞いたことがあるであろう、緻密で繊細で、美しいあの小説について書くことに決めました。

アン・シャーリーという少女

 

アンは“ちょっとした手違い”からグリン・ゲイブルスの老兄弟に引き取られることになる、孤児の女の子です。やせっぽちで、目のさえるような赤毛を持っています。アンは初対面のマシュウおじさんを愉快にさせ、マリラおばさんを頭痛にさせるほどの、溢れるような“想像力”がある女の子でした。

「赤毛のアン」なんてタイトルがついてこそいるものの、アンは自身の赤毛や、容姿について不満を抱えています。

「他のことはあたし、そう気にしないけど、そばかすや、緑の目や、やせっぽちのことなんてね」
「皮膚はばら色だし、目は美しい星のようなすみれ色だと想像することもできるのよ」

きっと誰でも抱えているコンプレックス。大人になってから思えばなんとでもないようなことでも、当時の自分には生きるか死ぬかくらいの大問題だったなんてこと、ありますよね。アンも同じように、自身の容姿に不満を抱えてはいるものの、前述のように溢れるような想像力でそれを補う力がありました。

 

グリン・ゲイブルスでの夢のような生活

 

手違いでグリン・ゲイブルスへやってきたアンですが、無口だけれど優しいマシュウと、厳しくも愛情深いマリラの元で生活することになります。

赤毛のアンで最も特徴的なのは、なんといってもアンの目に映る美しい世界の情景です。

―クロッカスやばらや、透き通るような草の緑が、とりどりに色を消したり、あらわしたりしていた。橋の上手は森になっており、生い茂っている樅や楓がゆれる地面にうっそうとした影を落としている。

アンの目にうつるグリン・ゲイブルスは信じられないほど神々しく、うっとりしてしまようなものだとよく伝わります。この美しい情景の演出が、赤毛のアンの最大の魅力だと思います。

少女の目に映る世界の美しさ

 

赤毛のアンを読むと、日常のちょっとしたことに目を向けてみたくなります。花屋の前を通り過ぎる時に歩調を緩めたり、鳥が囀っているのに気が付いてイヤホンを外してみたり……。そういう、何かとても大切なことが詰め込まれている気がします。

老若男女問わず全世界で愛されてきた赤毛のアン。あの時、教室の本棚で見かけた本。なんとなく名前だけ知っているけれど、どんな内容かは知らない。もしくは、昔夢中で読んだけれど、もうすっかり内容を忘れてしまった。そんな方々にぜひ読んでいただきたい、オススメの一冊です。

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ABOUTこの記事をかいた人

本好きの21歳です。 神奈川県に住んでいますが、東京で働いています。 よく読むジャンル:純文学 好きな作品:みずうみ(よしもとばなな)、落下する夕方(江國香織)、銀河鉄道の夜(宮沢賢治)、赤毛のアン(モンゴメリ) 色んな作品に触れ、感じたことを発信できればと思っています。