恋愛の楽しさと儚さを両方教えてくれる物語 辻仁成 著『サヨナライツカ』

「君は死ぬときに、誰かを愛したことを思い出すかな、それとも、誰かに愛されたことを思い出す?」

サヨナライツカはタイ・バンコクを舞台に繰り広げられる情熱的な愛の物語。
出版されたのは2001年、今から約20年前。その頃の僕は大学を卒業し、社会人になる年で、これから社会にでてたくさんの人に出会い仕事をするのが楽しみで楽しみで仕方ないといった感じでした。

今回はそんな若かりし僕が当時めちゃくちゃハマった小説を紹介したいと思います。

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あらすじ

「好青年」と呼ばれる豊には婚約者の光子がいる。豊は仕事でタイに赴任していて婚約者の光子とは遠距離の関係にある。ある時、タイで仕事仲間といつものように飲み会をしていたら現れた「沓子」に惹かれ、結婚までの4ヶ月間 濃密な時を過ごす。場所はタイのオリエンタルバンコクホテル・・・。二人が甘く濃密な時間を過ごすには最高の舞台だ。ラグジュアリーでありホスピタリティ高いホテル。二人の危うい関係をヴェールに包んでくれる。

光子と沓子…二人の女性の間で揺れる豊だが最終的には婚約者と予定通り結婚をする。
それから25年の歳月を経て 再び沓子に会ってしまう。60歳という 年齢と病に侵された沓子を想う豊。人は死ぬ時に 愛された事を思い出すか 愛したことを思い出すか……。

サヨナライツカという詩の魅力

この本のタイトルにもなっているサヨナライツカ・・・。これはとても美しく儚い詩であるのです。僕はこの詩が大好きで何度も読み返した記憶があります。
その中でも特に「愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ」の一文が大好きで、本当にそうだなー、その通りだと共感しまくっていました。愛の儚さと氷のカケラをかけているところがなんともセンスがあるなーと思っていました。(笑)

サヨナライツカ

いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない

孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい

愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある

どんなに愛されても幸福を信じてはならない

どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない

愛なんか季節のようなもの

ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの

愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ

サヨナライツカ

永遠の幸福なんてないように

永遠の不幸もない

いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる

人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと、

愛したことを思い出すヒトとにわかれる

私はきっと愛したことを思い出す

タイにあるオリエンタルバンコクというホテルに魅せられて

この本を読んだ20年前、大学の卒業旅行にタイに行きました。サヨナライツカを読んで、どうしてもオリエンタルバンコクの空間を実際に見てみたくなったのです。
大学生だったのでもちろん泊まるお金はありません。でも何とかその雰囲気だけでも味わってみたいと思いました。

タイについた僕は勢いだけでTシャツと短パンでオリエンタルバンコクに行きましたがやはり入り口で止められました。いわゆるドレスコードがふさわしくないという事でした。

それからシャツとスラックスを購入し、翌日にもう一度行きました。

そのとき、ホテルには日本人スタッフが1名いらっしゃりました。その方にサヨナライツカに魅せられてきました。もし可能ならスイートルームを見せてもらえないかと頼み込みました。

スタッフさんはサヨナライツカを知らずに、最初不振がっていましたが(笑)、大学生が文学か何かの研究に来たんだろうといった解釈をしてくれて、ホテル内を詳しく案内してくれました。

その時はとても嬉しかったです!ありがとうございました。あれから20年たった今でも覚えています。

 

20年ぶりに読み返してみて思う事・・・

最近は恋愛小説はほぼ読まなくなったので、この本を久しぶりに読んでいて懐かしい感触と遠い昔の感触を思い返しました。20年ぶりに読むとやはり感じ方も違います。
40代の今読むと、そこまで共感しない自分がいます。それだけ歳とって価値観も変わったということでしょう。それもまた良し!

でもこの本に20代前半に出会い、どっぷりはまり、自分の恋愛観と小説を重ね、あーでもないこーでもないと考えて過ごした時期は僕の人生でかけがえのない時間でした。

今、恋愛を楽しんでいる人たちにぜひ読んでもらいたい1冊です。

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わたしの本棚 管理人。 1978年生まれ。京都生まれ東京在住。 大学卒業後、ITベンチャー企業の経営者 →2018年社会起業家へ転身 。 NPO法人アンリーシュの創業・代表。 好きな作家:村上春樹、平野啓一郎、石田衣良、西野亮廣、見城徹、 堀江貴文 他  
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