2019年秋、小栗旬主役で映画化!太宰 治 著『人間失格』

こんにちわ。マコ(makoandbook)です。

2019年秋に公開される日本映画で楽しみなのがいくつかあります。

そのうちの一本が太宰治の人間失格です。

主演は小栗旬さん。監督が 蜷川実花さん。女優に宮沢りえさん、沢尻エリカさん、二階堂ふみさんなど豪華キャスト陣です。

今回は映画への期待も込めて太宰治「人間失格」について書いてみたいと思います。

太宰治本人の物語を作りたい。そう思いついた時からこの役を出来るのは絶対に小栗旬しかいない

蜷川実花監督の公式コメントに、「太宰治の役をやるなら小栗旬しかいない」というのがあります。

僕も小栗旬さんのカリスマ性は太宰に通じるものがあると感じており、今からとても楽しみです。

一方で小栗旬さんは、「最高の孤独とは一体どこに存在しているのか。手に入るものなのか。そんなことを日々感じながら、一歩一歩、太宰に寄り添いながら過ごしております。」とコメント。

きっと役作りに相当没頭しているのではないかと想像します。

幅広い役を演じる小栗さんですが、どこか寂しそうな影があり、人間の気怠さや自分の感情をうまくコントロールできない人間を演じるときがとても好きです。

同じ男としても惚れてしまいます。人間失格ではそんな気怠さや刹那的な演技を楽しみにしています。

 

太宰治という人

太宰治は1909年(明治42年)に東北青森県の津島家六男として誕生します。

裕福な家庭で育ち、勉強もできる人でしたが、二十歳のころ、共産主義に強く影響を受け、裕福な家庭で育ったことに悩み始めます。

その後、執筆活動を続けながらも、何度も自殺を繰り返したり、女性と同棲を繰り返す、酒、薬が手放せないある種危ない色気を持った男性でした。

30代の頃、第二次世界大戦が勃発し、東京から山梨県に疎開したこともありますが、とにかく色んな場所に行くのが好きで「一箇所に収まらない」自由さも兼ね備えていました。

そして昭和23年6月に玉川上水に入水。39歳の若さでこの世を去りました。

人間失格は、自殺する数ヶ月前に書かれた本で、太宰本人の人生を表したものでした。

 

徹底的な自己否定・自己破壊

太宰は、文才もあって、見た目もハンサムで、いいところの出身で裕福な家系であるにもかかわらず、その環境のため「自分は人の手本とならねば」と自分を追い詰めていきます。

内省を繰り返しているうちに、共産主義に影響され、非合法運動も活発化していきます。

時代の悪の部分を変えたかったんだと思うのです。

ただ、その変えていくためのアプローチが、自分の内なるものを否定・破壊するということでした。

戦争真っ只中で上昇志向、立身出世主義の時代であるにもかかわらず、みんなとは真逆のアプローチだったように感じます。

読んでいてとても苦しそうだなと思うのですが、そうせざるを得ないエネルギーが太宰の内側から溢れてきていたのでしょう。

 

人間失格の名言「恥の多い生涯を送って来ました」

人間失格には胸にぐさっと刺さるような名言がいくつかあります。

そのなかでも有名なのが、「恥の多い生涯を送って来ました」だと思います。

これは第一の手記の最初の一行なのですが、普通の人にはある感情・感覚が、自分には欠落しているように綴っています。

  • 自分は空腹感がわからない
  • 自分は幸福というものがさっぱりわからない(周りからはあなたは幸せだと言われるが、自分は地獄だと感じる)
  • 隣人の苦しみや程度がわからない
  • 隣人とどのように会話すればよいかわからない

 

などです。

きっと現代に生きていると精神的に病いを患っているのは間違いないでしょう。

そして自分で考えた結果、内心は苦しいにもかかわらず、人前では絶えず笑顔を作りながらやり過ごす態度をとったりします。

この精神的な闇の部分が現代において再評価されていると実感します。太宰が生きた時代と現代はずいぶん違いますが、人が感じる「生きづらさ」みたいなもの、それと向き合う内省の姿勢・・・

時代は違えど共通する部分があるのではないでしょうか。

この精神世界を映画でどのように美しく・危うく映像化されるのか、今から楽しみです。

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

わたしの本棚 管理人。 1978年生まれ。京都生まれ東京在住。 大学卒業後、ITベンチャー企業の経営者 →2018年社会起業家へ転身 。 NPO法人アンリーシュの創業・代表。 好きな作家:村上春樹、平野啓一郎、石田衣良、西野亮廣、見城徹、 堀江貴文 他  
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