こんにちわ!マコ@わたほん管理人です。
皆様は、読書にはまったのはいつごろでしょうか?
僕は、小学生からちらほら本を読むようになったのですが、正直そのころはあまり面白いと思っていなかったんです。
僕が本格的に読書にはまったのは、大学時代、当時通っていた立命館大学(京都)の図書館にふと立ち寄って、
何気なく手に取った1冊の本に衝撃を受けて、それから貪るように本を読み始めました。
そこから僕の読書生活が本格的に始まりました。
今回はそんな大学生時代に何度も読み返した本、それからの僕の人生に影響を与えた3冊をご紹介します。
コインロッカーベイビーズ / 村上龍
この本は、1980年に発行された、村上龍の初期のころの作品です。
当時起こったコインロッカー幼児置き去り事件を題材にした小説を村上龍が小説にしたものです。
生まれてすぐにコインロッカーに捨てられた主人公「キク」と「ハシ」が成長していく過程を描いています。
大学生だった僕は、「小説と言えど、よくこんな風に表現できるなー」と、その文章やストーリーの展開のされ方に、
衝撃を受けました。村上龍もいまでこそ大御所っぽい文章が多いですが、デビュー後の若かりし頃は、めちゃくちゃ尖っていて、
とにかく先鋭的な小説家でした。
大学生という多感な時期で、「他の人と違うことがかっこいい」と思っていた当時の僕はこの小説にドはまりして、そこから本をたくさん読むようになりました。こんな面白い世界があるんだ!と衝撃と感銘を受けたことを覚えています。
今の高校生や大学生にもぜったい刺さると思うので、若いうちに読んでほしい一冊です。
ノルウェイの森 / 村上春樹
村上春樹の初期の頃の代表作と言えば、やはりノルウェイの森だと思います。
この本から何を感じ取ったかというと、「人の痛み」についてです。
この本には、不完全で傷つきやすく、多感な登場人物が何人も出てきます。
主人公「ワタナベトオル」は男性で、感情移入しやすいのですが、僕自身は、ナオコになった気持ちでいました。
ナオコは、ワタナベトオルの親友の彼女なのですが、親友が自殺してから、体調もメンタルもどんどん悪くなり、京都の療養所で生活を送ることになります。
そのナオコの精神的にどんどん弱くなる様子を読んでいると、なぜか「人の痛み」について考えさせられたのです。
ナオコをみていると、自分が感じる痛みが痛みではないような気がしてきて、
ちゃんと痛みを感じないと、生きている実感が無くなってしまう感覚に陥りました。
ちゃんとどこかが痛いと感じてることで自分が今日も生きていると感じられる、当時大学生だった僕はそんな風に思っていました。
サヨナライツカ / 辻仁成
サヨナライツカは、辻さんらしいアーティスティックで美しい世界観が展開されています。
好青年とよばれる主人公は、婚約者を日本に残して、仕事でタイに行きます。
大手航空会社に勤めていて、仕事もできて、仲間からも信頼が厚く、ルックスも爽やかな好青年がタイで沓子(とうこ)という日本人女性と恋に落ち、婚約者との結婚するまでの間、甘美な生活を過ごすという話です。
結局好青年は、決められた時期が来た時に、沓子と別れて婚約者と結婚するのですが、
仕事人間である主人公が一人の女性に翻弄されていく様子はなかなか切ないものがあります。
また、2000年当時、辻さんは京都に作品名のままの「サヨナライツカ」というバーをオープンしていました。
そのバーは、隠れ家的なバーでめちゃくちゃかっこよくて、大学生だった僕は背伸びしてよくそのバーで女の子とお酒を飲みに行っていました。
今はもう閉店してしまったのですが、その小説とバー、そして舞台となったタイは今でも若かりし頃の良い思い出です。
サヨナライツカには、辻さんの文学の色気が凝縮された「詩」がいたるところにちりばめられています。
その中で、大学生だったマコ青年が一番好きだった詩がこちらです。
「愛なんて口にした瞬間消えてしまう氷のカケラ」
まあ、なんてキザな詩なんでしょう。
この辻さんのセンスが大好きで、この頃はサヨナライツカ以外もたくさん読んでいたことを思い出します!
本との出会いが人生を変える
本との出会いは、人との出会いに似ていています。
読みたいと思っていなくても、ふと目に着いた本、誰かから勧められた本、出会ってしまった本が
自分の人生や価値観に大きく影響を与えてしまうことがあります。
それはまさに本を読む楽しみの一つだと思うのです。
このわたしの本棚で紹介している本たちと皆さんが出会って、「人生でなくてはならない1冊」になれば、本望です。
今日は、いつもなら選ばないであろう本を手に取ってみませんか?