繋がる6つの出会い。伊坂幸太郎 著『アイネクライネナハトムジーク』

今回私が紹介するのは伊坂幸太郎さんの『アイネクライネナハトムジーク』
6つの短編集がはいっており、その物語同士が少しずつ繋がっている連作短編集です。

繋がる6つの出会い。伊坂幸太郎 著『アイネクライネナハトムジーク』

伊坂幸太郎さんといえば日本を代表とするベストセラー作家で、
2000年にオーデュボンの祈りでデビューして以来、著書が次々と映像化されており、
アイネクライネナハトムジークも2019年の秋に映画公開が予定されています。

伊坂幸太郎のつくる独特の世界観は多くのファンを魅了し続けていますね。
わた本ライターのもるさんも同著者の重力ピエロを「最初から、最後の一言まで綺麗で完結な小説」と紹介されています。

アーティストとのコラボ作品

第1章目「アイネクライネ」が生まれたのはシンガーソングライター・斉藤和義さんがきっかけです。
斎藤和義さんから”出会い”をテーマに曲の作詞を依頼されることになり、「作詞はできませんが、小説を書くことならば」と短編小説を執筆したとのこと。

そして完成した曲が「ベリーベリーストロング~アイネクライネ~」
さらに、この曲のシングル初回限定盤に付属される特典用小説として、第2章となる”ライトヘビー”を書き下ろしたものだそうです。

あらすじ

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。

 

どの章も登場人物はいたって平凡。
そんな人々の日常に起こる出会いの話です。

1章目のアイネクライネはサラリーマンがある偶然の出会いをする話。
2章ライトヘビーは美容師が客から弟を紹介され、電話でやりとりをしあう話。
3章ドクメンタは妻に逃げられた男の話
4章ルックスライクは父親に似ているの男子高校生の話。
5章メイクアップは高校時代に自分をいじめたスクールカースト上位の女子に再会する話。
6章ナハトムジークはボクシングのチャンピオンの回顧談。

 

つながる6つの物語

1つ1つの章で一応物語は完結しますが、それぞれの物語が緩く繋がっています。

あそこにで出来たあの人はここでまたででくるのか! なんて考えながら読み進めているうちに物語に引き込まれて、
まるで自分も前から知っていた知り合いや友人の物語をみている気分になります。

私自身、読み終わった後に人との繋がりを改めて大切にしていきたいな…なんて考えてしまいました。

こんな人に読んでほしい

忙しい人、疲れている人に勧めたいです。

どの章にも殺人鬼や死神などは出てこないし、意地悪な人もでできません。
じんわりほっこりする話ばかりなので忙しくて心が疲れている人に読んでほしいと思いました。

短編なので短い時間にさらっと読めますし、
恋愛モノのくくりですが、伏線が張り巡らされていてミステリー風なので恋愛ものが苦手な人でも読みやすいかと思います。