
僕らの青春 銀杏BOYZ
私が銀杏BOYZを好きになったのは中学生のときYouTubeで「SKOOL KILL」と「あいどんわなだい」のMVを観て衝撃を受けたことがきっかけです。
ださくてかっこよくて切実な歌に多くの人が心揺さぶられているはず……。
そんな銀杏BOYZの楽曲をもと脚本家・岡田惠和さんが執筆した青春小説「いちごの唄」を紹介します。
岡田恵和さんはNHK朝ドラ「ひよっこ」「ちゅらさん」などで知られる脚本家。
峯田和伸さんは銀杏BOYZでの音楽活動だけでなく今や俳優業としての活動も注目されて朝ドラ「ひよっこ」の出演やドラマ「高嶺の花」では石原さとみさんの相手役を演じています。
本書では銀杏BOYZの「漂流教室」「東京」「愛してるってゆってよね」「ぽあだむ」「銀河鉄道の夜」「もしも君が泣くならば」「恋は永遠」この7つの曲が題名となっていて1つの物語となっています。
タイトルの『いちごの唄』も峯田和伸がGOING STEADYというバンド時代にリリースしたアルバムの名からきています。
さらに「いちごの唄」は映画化も決まりました。公開は2019年、主演は古舘祐太郎さん。
元TheSALOVERSのボーカルであり、ミュージシャンと役者の両方で注目されている古舘さんの演技が楽しみです。
あらすじ
冷凍食品の製造工場で働く主人公の笹沢コウタ。
中学生の頃、コウタには唯一の親友・伸二がいました。伸二は養護施設で暮らしています。
伸二とともに坂道をブレーキをかけずに自転車で下ることに挑戦したり、
伸二とともに“あーちゃん”こと天野千日を“女神”と崇めていたり……コウタにとって伸二と過ごす時間はどれも楽しいものでした。
しかしある日、伸二はあーちゃんの身代わりとなって交通事故で死んでしまいます。
伸二の死を背負って生きることになったコウタとあーちゃんの2人は4年後 偶然再会を果たします。
それから年に1回、伸二の命日にあーちゃんと会うことになるが……。
ださくてかっこ悪い主人公
少しばかだけど純粋でただただ正直に生きている主人公コウタをみていると、胸のあたりがキュッとしました。
原曲をききながら本を読み進めると頭の中で景色が広がり、よりこの物語が自分の身に起きたことのように感じます。
忘れていた青春の苦さや恋のもどかしさが詰まっているこの物語は、銀杏BOYZ好きはもちろんのこと、曲を聴いたことがない人でも楽しめます。