体験談から知る防災 NPO法人ママプラグ著『全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました』

皆さん、こんにちわ。
まき貝。です。

3月は防災のことを考えずにはいられない月です。
ここ数年で大きな災害がたくさん発生しました。
それをきっかけに、防災を意識するようになった方も数多くいると思います。

その中には、
「気にしているけど、どうしたらいいかわからない」
こんな風に前に進めない方も、多いのではないでしょうか。

そこで、今回は「防災」に関する本をご紹介をしたいと思います。

「子連れ」というタイトル通り、お子さんがいる方はもちろんのこと、どんな方にも読みやすい構成になっています。

あなたから見て、防災は近い存在ですか?
もし遠い存在なら、この本をきっかけに少し距離を縮めてみませんか?
思わぬ発見や新しいライフスタイルが生まれるかもしれませんよ。

体験談から想像を重ねる

インターネットが普及し、圧倒的な情報量を入手出来るようになった現在。
「防災」というワードを検索をすれば、億単位の情報がヒットする。
各ホームページを1件1件クリックし、自身が求める情報を得ることは想像以上に苦痛なものです。
文字量の多いホームページも多く気が滅入ります。

では防災関連の本はどうでしょう。
「こういう物を備蓄しましょう」、「災害が起きたらこうしましょう」といった、マニュアル要素が強め。
教科書のようで読むのがつらく、そもそも頭に入ってきません・・・!

■おすすめポイント
この本の特徴は体験談が多く掲載されていること。

ベースは育児中のお父さん・お母さん、妊娠されている方などの実体験。
(女性の体験談中心のため、もう少し男性の体験談も欲しかったのが本音)

阪神・淡路大震災から、昨年の北海道胆振東部地震、豪雨に台風、雪害まで幅広く網羅されています。

短文と長文の体験談でメリハリよく構成されており、読み進めやすい。

それぞれの言葉で表現された実体験は、読み手に知識を押し付けるマニュアルとは異なり、状況や心情を「想像」させ、あらゆる感情が呼び起こされた上に学びを得させる作用があるように思います。

こんなことが起きていたなんて、という恐怖。
自分にも同じことが起きたらどうするのか、という不安。
何も対策をしていないことへの焦り。

この「想像する」という行為から生まれる感情こそ、防災への取り組みに勢いを与えるトリガーの1つなのではないでしょうか。

でも、負の要素だけで、人は行動を起こせるわけではないですし、防災をマイナスのオーラで包み込むような状態は本来あるべき姿ではないと私は思うのです。

そこで、プラスの気持ちで取り組める防災についてご紹介します。

普段の生活に+α

防災は、いざ取り掛かろうとすると、「0から100まで対策しなければ」と考えて身構えてしまいがち。
この本を読んでいると、日常生活に1つプラスするだけで立派な防災になるんだと気づかされます。

▼例えばこちら。

すぐにできることってたくさんあるんです。
こういう日常生活に寄り添う防災であれば、心の負担も軽くなりますよね。

例としてトイレを挙げましたが、皆さん日常生活からトイレは絶対に我慢せず、行きたくなったら行っちゃってください!
食事は取らずに我慢できても、トイレだけは絶対に我慢することが出来ないからです。

▼例えば、こんな内容も。

「お片づけ防災」
これは私も取り組んでいる防災1つ。
不要なものを捨てて整理整頓、必要な量の物品で生活する。

ミニマイズされ、広くなった部屋で生活する新鮮さは、想像していた以上に格別です。

お片付け防災は、インテリアを変えるだけでなく、考え方やライフスタイルを変化させることにも繋がります。
楽しさを感じながら、同時に災害対策が出来るなんて素敵だと思いませんか。

普段の生活に少し防災を「+α」することで、意外と簡単に防災はスタートできるのです。

アベナオミさんの柔らかなイラスト

この本にはたくさんのイラストが描かれています。
可愛らしく、親しみやすい柔らかなタッチの絵。
グッと心を掴まれるだけでなく、遠かった防災との距離がグンと縮まります。

イラストレーター アベナオミさん(@abe_naomi_)のイラストです。

ご自身も東日本大震災で被災した経験を持ち、実体験をもとに描かれた著作は具体的でわかりやすいだけでなく、すぐに真似したくなるような防災のアドバイスもたくさん。
著作の中には、ご本人の心情を映し出す場面もあり、災害の脅威や悲しみに胸を締め付けられる瞬間もあります。

そんなアベナオミさんの防災関連の本は、後輩にプレゼントするほどお気に入り。
これから防災に取り組もうという方には特にこちらの本もおすすめです。

▼▼アベナオミさんのブログはこちら▼▼
イラスト工房 うさぎとお絵描き Illustratorアベナオミの日記帳

防災にどう取り組むか ~オーダーメイド防災~

現在、防災は「意識的に取組むこと」という位置にあり、楽しんで行う事柄というイメージからはまだまだ程遠いのも現実です。
防災が、無意識に感覚的に、当たり前のように存在し、人々の日常生活に溶け込んでいるのが理想的ではあるものの、そういう存在になるにはもう少し時間がかかるでしょう。
そして、防災は完璧がなく、時代や災害の種類・人々のライフスタイルなど、様々な状況により変化します。
誰でもない「あなたにとって何が必要なのか、何が大切なのか、譲れないことや思いは何か」、このオーダーメイドの考え方と感覚を持つと、軸がぶれずにいられるはずです。

この本が皆さんの防災の意識を変化させる1つのきっかけになればと思います。