人の人生を知ることは、自分の人生を知ること。犬山紙子 著『私、子ども欲しいかもしれない』

こんばんは、もるです!

今回は、朝のニュース番組「スッキリ」のコメンテーターなどテレビでも活躍中のコラムニスト、イラストエッセイストの犬山紙子さんの著書『私、子ども欲しいかもしれない』を読みました。

  • 子どもを産むことなどが悩みとしてある方
  • 女性としての生き方に葛藤している方
  • 人生・生き方について興味がある方

タイトルはあたかも、女性を対象とした子どもの有無についての本に思えますが、
内容は、そういうわけではなく(もちろん、子供について考えている方にも最適です!)、

コラムニストである犬山さんが自身の結婚〜出産を経験する中で、
約150名の「子供を持たない」方や「専業主婦」、また「同性愛結婚」をしている人まで

様々な人に「子どもを産むこと」に関して
インタビューやアンケートを通した感想とエピソードが綴られています。

いろんな人の人生の話を聞いて、そのことについて考えるのって、結局自分の人生について考えることに繋がる。
自分の気づいてなかった感情や気持ちが、どんどん整理されていく。

犬山さんがこのように本著について綴っているように、
私もこの本を読んで、いろんな人生観を垣間見れ、また自分の人生について整理された部分を見たように思いました。

 

 

「赤ちゃん」という分身

 

赤ちゃんというのはお母さんの分身とか、お母さんの所有物とかじゃなくて、違う人間なのだ。
1人の人間としてサポートしようと思った。

よく、「両親は長く私を育ててくれたから、私は老後を見るべきだ」などという子どもや、
両親から、「今まで世話してあげたんだから、老後は楽させなさいよ」の類のやり取りを聞いたことは一度はあるのではないでしょうか?

私も、社会人になった今、親一人で育ててくれた母親を楽にさせてあげたいと思うことがあります。

そして、こんな風に考えていると、
いつしか、「子どもを持つことは、自分の人生を捧げることなのか?」と思ってしまうようになりました。

「老後は子供が親を楽させるべき」という考えの裏には、「今まで費やした負担や努力を介せよ」というような意味合いが含まれているような気がします。
そう思っていると、いつしか、子供を生み育てるということは自分の人生を捧げるものであり、そして子供には自分の人生を背負わせることにもなるのか・・・(遠い目)と思い、「子どもを持つなんて重いなぁ・・・・」と思っていました。

でも、この一節を読んで、「違うな」と気づけました。

インタビューで、1人親になるとわかっていて子供を産んだ方が
「1人の人間として、この子をサポートしていきたいと思った」と答えている話を読んで、素敵だなと感じました。
「したい」から、育てる、面倒を見るのであって、親孝行も、子育ても、強制なことと考えないことは大切と思います。

自分が幸せと思う形のコミュニティを作ること

日本で暮らすレズビアンカップルの結婚観についてのインタビューにて、

じゃあ私たちみたいなレズビアンやゲイが、普通の家庭と何が違うかっていうと、自分で家族を選べるということ
同性同士で家庭を作りたいって思った時に、それが本人たちにとって家族であれば、家族なわけです。
独立している2人が一緒になるから、可能性が無限なんです。
新しい家族の形っていうのを、自分たちが思うように作ればいい。世間の目はついてこなくても、自分たちが幸せだと思う形を作ればいい。

まだまだ世間体や法律が伴っていない同性愛結婚

通常、男女カップルが当たり前のように家族になると、おじいちゃん、おばあちゃん、親戚とかが付随してきますが、同性カップルはあまり付随してくることがありません。
同性愛結婚で、公的支援が受けられる環境ではない中、インタビューに答えている同性愛のカップルは、「優遇されていないとかは、あまり考えないようにしている」と答えています。

法的な繋がりがあれば、家族。
そんな考えはもう薄れていると私自身も思います。
むしろ、「家族」という括りに縛られて、望んでない環境をやむを得ない事件などもあります。

血が繋がっているから、信頼できる、仲が良いという類ではなく、
世間が家族と認めていなくても、「自分が幸せと思う形」のコミュニティが作れたら、それが一番であるという内容に共感しました。

私自身は、結婚や子供など、全然身近なキーワードではないのですが、
この本を読むことで、「子ども」について考えるだけではなく、自分と母親についての関係性や、親は子どもを産む時にこんなことを感じていたんだな、という視点も読めました。

働きながら、子供を持つこと、
まだまだ妊婦さんに対する偏見があること、
日本の保育所などの制度がまだまだ足りていないこと、
家事代行などの、外部のシッターさんなどを取り入れて行くことなど、

いろんな家族観、働き方、生き方が、「子どもを産むこと」を通して語られています。

 

人の人生観を知ることは、自分の人生についても考えることだ。本当にそうだなと、この本を読んで改めて思いました。

ぜひ、拝読してみてください・・・!

ABOUTこの記事をかいた人

鹿児島出身、関西在住。社会人2年目。 わたしの本棚 ライター 好きなジャンル:恋愛、ビジネス、エッセイ 好きな著者:江國香織、森絵都、東野圭吾、伊坂幸太郎、吉本ばなな、はあちゅう(敬称略) 商社でプロダクト関連のデザインのお仕事をしています。 書くこと、デザインすることをお仕事にしていきたく奮闘中・・・!