改めて、「家族」ってなんだろう? 是枝 裕和 著『万引き家族』

こんにちは、もるです!

今回紹介したい本は、第71回カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した映画『万引き家族』の原作本です。

著者の是枝裕和さんは、
・『誰も知らない』
・『そして父になる』
・『海街diary』
・『三度目の殺人』などとヒット作・話題作を連発している映画監督の方です。
聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

私は映画の公開を知り、小説本を読みたいと思い買いました!(私はまだ映画は見ていません..)

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国外でも人気上映中

この「万引き家族」、中国でも公開されているのですが(中国でも人気の映画です!)

ポスターの違いがとても興味深いです!

 

 

一番左が、日本版ポスターで、その隣から中国版ポスターです。(中国の著名なデザイナー・黄海(Huang Hai)さん)

原作の昭和感と家族観がポスターの全面に出ていて、「小説のイメージと合っている素敵なポスターだなぁ」と一人で感動していました。
登場人物の実写を載せないポスター、最近は珍しいと思うので貴重な感じがします。

 

犯罪でつながっている「家族」

 

  • 柴田治
    日雇い労働者。同時に子供たちと万引きを繰り返す。
  • 柴田信代
    クリーニング工場に勤務。
  • 柴田亜紀
    JK見学店勤務。
  • 柴田祥太
    父親とのコンビで万引きをはたらく、不登校。
  • ゆり
    本当の名前はじゅり。ネグレクトを受けていた少女。
  • 安藤初枝
    月に一度の年金という低収入で家族を支えている。

 

舞台は東京の下町、隅田川のほど近くに住む柴田家。柴田家は特殊な「家族」だった。
それぞれが人には言えない事情を抱えており、お互いが集まり寄り添うように依存しあって古くて狭い家に集まってきた結果、擬似的な「家族」となっていく。

 

現代における「家族」のあり方

おそらく普通に考えると、家族とは血縁関係のある者同士、
つまり、
・母親
・父親
・兄弟
等を指すと思います。

しかし、婚姻数も減っているいわば”結婚や家族を持つことが必須ではない”と謳われる現代で、
血縁関係に重きをおくことへの意識も減っていると感じます。

様々な背景があって、家族の愛情を受けずに育つことも珍しくなく、中には虐待なども増えており、
「家族がいること」、「家族だから信頼できる」というようなことが当たり前の時代ではもうないだろうと思います。

 

この小説の中で年金生活の安藤初枝(おばあちゃん)が

「自分で選んだ方が、キズナは強いのだ」

というシーンがあります。

私はこのセリフにすごく感動しました。

*****

私もこの小説のように、核家族で育ちました。

母親、父親、姉、といますが、
両親は離婚していて、母も父親もその後再婚しています。
姉がいるけれど実の姉ではなく、お母さんの前の旦那さんの間で生まれたのが姉です。

そんな少し複雑な環境で育ち、「家族」という言葉に違和感を幼少期から抱いて生きてきました。

”家族は家族であるけれど、居心地がいいとは思えない。”

周りの友達が話している「家族」話に頷きながらも、自分は同じように「家族」話が出来なくて
そんな自分が少し嫌で、冷たい人生なのかなと思っていました。

しかし、「家族」ではないけれど、心から信頼できる仲間、友達、恋人と出会うことを通して、
自分らしく生きることが少しずつ出来てきたように思えます。

そう思うと、小説の中にある「自分で選んだ方が_」のセリフに救われました。

******

血縁関係以上に信頼できる人や血縁関係の人以上に時間を共にしている人が近くにいるケースも多いのではないでしょうか。

どんな形で繋がったであれ、血縁関係を持つ家族以上の強さのある関係なら、
それもまた一つの関係性であり、「家族」のようなあり方ができていくことも素敵であり自然なんじゃないかな、と本書を読んで思いました。

伝統的な「家族」というあり方が変わってきていると感じられる本です。

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ABOUTこの記事をかいた人

鹿児島出身、関西在住。社会人2年目。 わたしの本棚 ライター 好きなジャンル:恋愛、ビジネス、エッセイ 好きな著者:江國香織、森絵都、東野圭吾、伊坂幸太郎、吉本ばなな、はあちゅう(敬称略) 商社でプロダクト関連のデザインのお仕事をしています。 書くこと、デザインすることをお仕事にしていきたく奮闘中・・・!