くだらないの中に・・・ 星野 源 著『そして生活はつづく』

こんにちは、はなこです。

ハウツー本やビジネス書読むほど頭は回らず、
フィクションを楽しむ気力にも慣れない、
疲れたなーと思っても本は読みたくなるものです。

 

最初に読んだのはもう何年も前で
とにかく、中学生男子が話すような内容しか書いていない、でも面白い、とだけの印象が残っていました。

1度手放した本ですが、何か思い立ってまた買ってみました。

最初に言っておきたいのですが、
この本、カフェとか電車の中とか人前で読むのやめた方がいいと思います。

本当ににやにや笑います。
今や超有名人で大人気の星野源の10年前の生活を垣間見るだけなんですが
なんでこんなにもくだらなくておかしいのでしょうか。

どのタイトルも「○○はつづく」なんですが
話が紆余曲折しても、タイトルにうまく収まっていて、やられた感。
偶然なのかわかりませんが、文章とページの終わり方が絶妙で
次のページが気になって仕方ありませんでした。

くだらないに尽きるのですが、後半になるにつれて、なんか感動しちゃってる自分もいるのです。

たとえば私が今何をしていても気持ちよく、健康で、お金もあって、不自由なことなど
何一つもない暮らしをしているならば、表現なんてしなくても全然いい。生きづらさを
緩和するために表現するのだし、マイナスがあるからプラスが生まれるわけだし、
陰があるからあるから光が美しく見えるのである。
不満がなくなり、全てのことに満足したら何もしなくなってしまうだろうなといつも思う。(眼鏡はつづくより)

これ、目が悪くてレーシック受けようかと考える話からの派生なのですごい。

 

私も生活や暮らしといったことを説く仕事をしているから
暮らしを楽しむことは自分なりに考えたりしています。

だからこそ、文庫本のあとがきの一文がすごく印象に残っています。

「なにげない日常の中には素晴らしいものがある」どや顔でそんなことをいう人は苦手である。「なにげない日常」の中には「なにげない日常」しかない。素晴らしいものなんてない。その中から素晴らしさ、おもしろさを見いだすには、努力と根性がいります。
黙ってても日常はおもしろくはなってくれない。
見つめ直し、向き合って、物事を拡大して、新しい解釈を加えて、日常をあらためて制作していかなきゃならない。

「毎日楽しそうでいいね」なんて言うことを聞くけれど、それは楽しむ努力をしているから。

特別なことなんてそうそう起こらないから、自分の毎日が少しでも面白くなるように見つめなおしていこうじゃないですか。

ABOUTこの記事をかいた人

福岡県在住、発酵愛好家の管理栄養士。 好きな文筆家は江國香織、柚木麻子、平野啓一郎、東野圭吾、松浦弥太郎、服部みれい ジャンル問わずなんでも読みます。 本屋と図書館巡りが好き。 自分の気持ちに合わせてそのときに読みたい本を読む。