【特集/食欲の秋】有能な女性になるためには・・・桐島洋子 著『聡明な女は料理がうまい』

発酵愛好家のはなこです。

今週は「食欲の秋」ウィーク。

食を仕事にしていることから(自分が一番好きな分野!)本棚にはレシピから小説エッセイまで
食にまつわる本がたくさんあります。

中でもかなり強烈なこの1冊を紹介したいと思います。

実はこの本、かれこれ40年以上まえに出版された本。

料理エッセイではあるものの、プロローグを読んだだけで
それ以降読み進めることをあきらめてしまう女性が続出するのではないかと思うほど
かなり辛口で書かれているから注意!!

すぐれた女は必ずすぐれた料理人であるという断固たる偏見の持ち主なの。
それはすなわち、料理のへたな女はダメな女でもあるということ。

 

この時点で、心を痛めてしまった女性はどのくらいいるのでしょうか・・・

でも安心を、1章から手ほどきがありますから。

初心者よ大志を抱け!!

デパートの食堂に並んでいる平凡な料理はむしろ後回しにして、本邦初演とまでは言わないけれど、ともかくザラにはお目にかかれないような珍しい料理をのっけから作ってみよう。
これが私の乱暴だが効果的な料理入門法である。

医者である友人は裕福な家庭で育ち、全く家事をしないまま成長してしまった。
そんな彼女の食事は全部外食。

料理特訓中である彼女へ送る初挑戦の料理は”たらのベシャメルソース焼き” ”子牛肉の白ワイン煮 ブルゴーニュ風”

料理好きの人でもなかなか作らないような横文字料理。。

友人たちを集めてフランス料理の夕べを開き、皆満足したところで種明かし。
茹で卵一つ作れなかったドクターに、一同唖然。
しかし、その後賞賛の嵐が沸き起こり、この上もなく祝福に満ちたスタートを切ったそう。

自信がつくと料理もどんどん楽しくなってきますよね♪

オードブルは「俳句」のようなもの

四季おりおりのささやかな感動をさっととらえて17文字にまとめるような呼吸で、終始軽やかに即席料理の包丁をふるえるようになれば楽しいし、その楽しみは際限ない。

納豆という西洋のチーズに匹敵する日本の傑作を卑下することはない。
のり、いりごま、青じそ、みょうが、などを刻んでまぶしたりわさび漬けを合わせたり、あるいはうずらの卵を割り落としたり、しょうゆのかわりに味噌を使ったりしてそのつど目先を変え、また納豆自体に軽く包丁を入れて歯ざわりに変化をつけたりする。そして小鉢にほんのちょっぴり盛って供すれば、十分にしゃれたオードブルである。

ことば選びも食材選びも同じこと。

目の前の相手が喜んでくれることを想像しながら、ひとつひとつ作っていく。

もし、文章を書くのは好きだけど、料理は苦手って思っている方がいれば、この思考で挑戦してみると案外楽々とこなせてしまったりするのかも!

料理は愛の記憶につながっていく

40年以上前に書かれたと、時代を感じさせない知恵がたくさんつまっています。

ページをめくるにしたがって今すぐできそうなこと、ちょっと頑張ってみようかなと思う料理、
肉、魚、野菜、異国料理、ひとりから大人数、シチュエーションも様々で
カレンダーや地図と向き合って読むのも面白いと思います。

そして、好きな料理を浮かべると大切な人たちも一緒に浮かんできませんか?

読み終えたあなたは女としてさらに磨きがかかっているかも♡

ABOUTこの記事をかいた人

福岡県在住、発酵愛好家の管理栄養士。 好きな文筆家は江國香織、柚木麻子、平野啓一郎、東野圭吾、松浦弥太郎、服部みれい ジャンル問わずなんでも読みます。 本屋と図書館巡りが好き。 自分の気持ちに合わせてそのときに読みたい本を読む。