君の手を、離すものか。宮部みゆき 著『ICO ー霧の城ー』

こんにちは、です
今回は宮部みゆきさんの『ICO ー霧の城ー』をご紹介します。

本作はもともと、PS2のゲーム『ICO』のノベライズ版で、宮部みゆきさん自らが、「ぜひとも書きたい!」と熱望され、ゲーム制作側と話し合い作られたものだそうです。
(PS3でリメイクもされているそうですね。)

この手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。

あらすじ

何十年かに一人生まれる、小さな角の生えた子。
頭の角は、生贄であることの、まがうことなき「しるし」。
十三歳のある日、角は一夜にして伸び、水牛のように姿を現す。それこそが「生贄の刻」。
なぜ霧の城は、角の生えた子を求めるのか。構想三年。
同名コンピュータゲームに触発されて、宮部みゆきがすべての情熱を注ぎ込んだ、渾身のエンタテインメント。
(Google booksより)

 

物語は、イコという頭に角の生えた男の子が「いけにえ」として、城に送られることになるところから始まります。
角の生えた子は「ニエ(いけにえ)」として、成長すると「霧の城」に送られることが慣例となっており、
「イコ」も村のために「ニエ」の役割を全うするように言い含められながら成長していきます。

「おまえは賢い。その賢さが“知”だ。
どうか、かつてそこから分かたれた“勇”を見出し、我らに再びの光を与えておくれ」

そしてニエとしてたどり着いた霧の城で、囚われとなっている少女ヨルダを見つけ、
ともにこの城を脱出することを決意します…。

  • なぜ角の生えた子どもがニエとして送られるのか?
  • 霧の城に囚われとなっていたヨルダは何者なのか?
  • ふたりは霧の城から抜け出すことはできるのか?

そんな、お話です。

イコとヨルダ

イコはニエ(いけにえ)として送られた霧の城で、囚われの身となっている少女、ヨルダと出会います。
一緒に逃げよう、とイコは呼びかけますが、ふたりは言葉が通じませんでした。

イコがヨルダの手をとり、逃げているさなか、不思議な幻影がイコの前に現れます。
言葉が通じず、お互いがどんな過去を持ち、どういう人なのかもわからないふたりが、
手を繋ぎ、次第に心を通わせていくような情景は、読んでいてとてもどきどきしました。

彼女が誰であれ、一人より二人の方が心強い。
二人なら、きっと大丈夫だ。

わたしは原作ゲームの『ICO』を知りませんが、この物語だけでも十分に素敵だなと感じました。
ここで書評を書いておきながら言うのもお恥ずかしい話ですが、ゲーム原作にしかない素敵な点も多くあるようで、これはあくまでも宮部みゆきさんの『ICO』なのかもしれませんが…
気になった方はぜひご一読ください。

ABOUTこの記事をかいた人

福岡県出身、社会人3年目 よく読むジャンル:なんでも読む雑食系ですが、ミステリーやファンタジーをよく読みます。特に上橋菜穂子/恩田陸/辻村深月(敬称略) 読書は生活の一部。 ご紹介する本が、皆さまにとって良き出会いとなりますように。